節分由来は? 豆まきのやり方や意味、恵方巻きなどの豆知識

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「節分 由来」アイキャッチ画像

あなたは自分のお子さんに「節分由来や意味って何なの?」と聞かれて、すぐに答えてあげることができますか?
正直節分といえば、ただ漠然と「毎年2月3日に豆まきをする行事」というぐらいにしか思い浮かばないですよね。

今では家族やお友達と一緒に、鬼役の人に目がけて豆をまく楽しいイベントのようなものになっています。
しかし本来の節分は、古くからおこなわれている日本の伝統行事になりますし、神聖な儀式の1つでもあるのです。

今回は、そんな節分由来についてご紹介していきます。
また、節分には欠かせない「豆まき」のやり方や意味など、節分に関するその他の情報についてもご紹介していきます。

ぜひ、あなたのお子さんに教えてあげてください。

豆を持つ手

1.節分由来とは

笑う鬼たち

簡単に言うと、節分は1年間の邪気(悪い運気)を取り除いて、次の1年の無病息災を祈る行事で、豆を投げたり飾り付けをしたりします。

そもそも節分というのは、毎年2月3日だけのことではありません。
「立春、立夏、立秋、立冬」それぞれの前日のことを【節分】というため、実は毎年必ず4回は節分があります。

要するに節分というのは、季節が分かれると書きますので、「季節の変わり目」のことになります。
または、それぞれの季節が始まる前日のことなので、「季節の大晦日」的な感じでしょうかね。

では、なぜ2月3日だけを節分と呼んでいるのか。
それは、その年によって変わることもあるそうですが、この2月3日は立春の前日となるためです。

旧暦では立春を新年としていたため、季節だけでなく旧暦の大晦日にあたる2月3日が、4つの節分の中で重要視されたようです。
旧暦で新年ということと、冬が終わって新しい春を迎えることなどから、邪気を払って新しい1年をスタートするのに、この日が節分としてベストだったのでしょう。

上記の内容が節分由来として有力な説ですが、あくまで諸説あることですので、有力な説の1つとして憶えておいてください。

 

2.節分の時に豆まきをする理由

上機嫌な赤鬼

節分といえば豆まきですよね。
親子で「鬼は外~!福は内~!」と言って、楽しく豆をまきます。

ですが、なぜ節分の時に豆をまくのでしょうか?
豆では攻撃力も無さそうですし、鬼を外に追い払えなさそうですよね。笑

節分に豆まきをして、鬼を追い払う理由としては、

・古代の中国でおこなわれていた大晦日に鬼を追い払う邪気祓いの行事と、日本で昔から節分におこなわれていた「豆打ち」という儀式が合わさったため
(豆打ちとは、豆まきの原形となるような儀式のことです)

・昔から日本では、豆や米といった穀物類に「穀霊」が宿るとされており、邪気を払う力があるとされているため

・語呂合わせによるもので、災いとなる鬼の目を「魔の目(魔目→マメ)」とし、その目に豆をぶつけることで「魔を滅する(魔滅→マメ)」という意味にしている

などの理由が有力な説ではないかと言われています。

 

ちなみに、節分の時に豆でやっつける鬼は、もちろん本物の鬼ではありません。笑
1年間の悪い邪気や病気、災害などを、悪いものの象徴として鬼に見立てています。

日本では昔から悪いことが起きると、鬼の仕業だと言われていました。
なので、1年間の悪い邪気を鬼に見立てて、豆によって退治しているわけですね。

 

3.節分で豆まきをするのに正式なルールとかあるの?

たくさんの豆

節分の時に豆まきをする理由はわかったと思います。
そんな節分の豆まきに、正式なルールや決まり事などはあるのでしょか。

節分というのは、古くからのしきたりや儀式のようなものなので、決まったルールがちゃんとあります。
このルールを守っていれば、1年間の無病息災が叶いやすいのかもしれません。

しかし現代では、必ずしもルール通りにと考えすぎなくてもいいでしょうし、そもそも地域によってやり方が違うところもあります。
「絶対に守らないといけない!」と、固執する必要はないでしょう。

これからご紹介する節分のルールは、昔からのしきたり通りにやる一般的なものです。
一例として憶えてもらえればと思います。

3-1.節分でまく豆は「大豆」を使用する

節分の豆まきの時にまく豆は、どんな豆を使用してもいいのか。
昔からのルールとして、節分で使用する豆は「大豆」と決まっています。

なぜ「大豆」なのかというと、2章のところでも少しお話しましたが、日本では昔から穀物に神霊が宿っているとされており、「大豆」もその1つでした。

元々節分は神聖な儀式であるため、神霊が宿る穀物である「大豆」が使用されるようになったわけです。

3-2.火で炒った豆を使用する

節分の豆まきでは、火で炒めた豆(大豆)を使用しましょう。
先ほど大豆で豆まきをすると言いましたが、そのまま生の状態ではまきません。
必ず火で炒った豆を使用します。

昔は生の大豆をお家で炒って豆まきをしていましたが、今では普通に炒った状態の豆まき用としてスーパーなどに販売してあります。
なのでそれを買っていれば、生の豆を使うことはまずないでしょうけどね。

炒った豆を使用する理由をご紹介します。

3-2-1.縁起が悪いため

豆まきに炒った豆を使う理由として、まずは「縁起が悪い」ということです。
なぜ縁起が悪いのか、それは豆まきをして万が一床などに豆が残ってしまうと、生の状態であれば、そのまま豆から芽が出てしまう可能性があるからです。

芽が出るという状態は、「災いの目が出る」ということを連想させてしまうため、生の状態の豆を使うと「縁起が悪い」につながってしまいます。

3-2-2.お腹をこわすかもしれない

次に、炒った豆を使う理由として、生だと「お腹をこわす」かもしれないためです。
豆まきに使用する豆は、豆まきが終わった後に残った豆を数え年の分だけ食べます。
なので、生の状態だとお腹をこわしてしまう可能性があるため、食べられません。

もちろん生の状態の豆を使うのは、衛生的にもよくありません。
まいて床などに落ちた豆を食べることはまずないでしょが、最悪炒った豆であれば落ちたやつでも食べられないこともないですしね。

3-2-3.火で豆を清めている

その他にも「火で炒めて豆を清める」という理由もあるようです。
火で炒る(いる)ことは、邪気を射る(いる)という語呂合わせとなり、悪い運気を飛ばしてくれると考えられていました。

また、火というのは昔から神事や儀式などに用いられることも多く、神聖なものとされています。
そんな火で炒ることによって、豆を清める意味もあったのでしょう。

3-3.家主もしくは年男年女か厄年の人が豆をまく

赤い鬼と豆

節分で豆をまくのに誰がまくかなんて、ほとんどの人が深く考えていないと思います。
たぶん豆をまきたい人がまくって感じでしょうね。

しかし、本来節分では豆まきをする人が決められています。
それは、その家の「家主」「年男年女」「厄年の人」です。

その家で一番に豆をまく「家主」は、ほとんどの場合がお父さんになるでしょう。
最近ではお父さんが鬼の役をして、子供たちに豆をぶつけられるなんてパターンも多いでしょうが、本来豆をまくのは家主であるお父さんの役目になります。

また、その年の「年男年女」や「厄年の人」も、豆まきをする役目です。
年男年女はその年の干支にあたる人ですので、縁起が良いとされていますし、逆に厄年の人は豆をまくことで、悪い運気を追い払えるとされています。

昔は誰かが鬼の役をするというわけでなく、鬼に見立てた悪い運気を豆で追い払うというものでした。
ですが、今では家族の誰かが鬼の役をして、その人に目がけて豆をまく風潮になっていることが多いです。

3-4.豆まきをやる時間帯は夜

節分では、豆まきをする時間帯も決まっています。
正確に何時から何時までと決まっているわけではないですが、夕方の日没から夜の間に豆まきをすることになっています。

なぜ夜の時間帯なのかというと、鬼は夜に現れるとされているからです。
やっぱり鬼のような怖いものや悪いものというのは、今も昔も夜というイメージがあるんですね。

今ではお昼の時間帯にやる場合もあるでしょうが、夜のほうが鬼の雰囲気もいい感じに出て楽しめそうですよね。

3-5.大きな声で「鬼は外!福は内!」と言いながら豆をまこう

節分においてもはやこれは当り前のことかもしれませんが、必ず「鬼は外!福は内!」と言いながら豆をまきましょう。
ある意味この掛け声が無いと、節分とは言えないですよね。笑

言葉の通り、鬼となる悪い運気を外へ追い出し、新しく良い運気をお家に入れることで、この1年の無病息災を祈る掛け声です。
しっかりと悪い運気を出して、良い運気がお家に入るように「鬼は外!福は内!」と、大きな声で豆をまきましょうね。

3-6.豆まきが終わったら自分の数え年分の豆を食べる

節分の締めくくりとして、豆まきが終わったら自分の数え年分の豆を食べましょう。
火で炒めて清めた豆を数え年分食べることで、良い運気を取り入れることができます。

ちなみに数え年とは、その年の元旦にみんな一斉に1歳年を取るということです。
さらに満年齢と違うのが、数え年の場合は、生まれた時点ですでに1歳だということ。
満年齢の場合は生まれた時に0歳から始まります。

年を取る基準の日が、満年齢は誕生日、数え年は元旦(1月1日)となります。
なので同い年でも、早生まれの人とそうでない人とで、数え方が変わる場合があります。

例えば、今が2018年として、2000年1月生まれの人と2000年8月生まれの人がいたとします。
この2人を節分(2月3日)の時点での年齢で、数え年を考えた場合

・1月生まれは節分の時点で満年齢が18歳となり、数え年の1歳分をプラスすると、
→18歳に+1で19歳となり、節分では19粒の豆を食べる

・8月生まれは節分の時点で満年齢が17歳となり、数え年の1歳分をプラスするのと、まだこの年に誕生日が来ていないので、
→17歳に+2で19歳となり、節分では19粒の豆を食べる

 

現代では満年齢が一般的となっていて、数え年での年齢の数え方は慣れないと思いますし、実際に節分などの行事やお祝い事でしか使用する機会はないでしょう。
なので、無理に数え年で考える必要はないかもしれませんが、節分のしきたり通りにやるのであれば、この数え方となります。

 

4.節分で食べる「恵方巻き」について

恵方巻と鬼のお面

ここまで、節分には欠かせない豆まきについてお話してきましたが、ここ数年で節分に食べるのが定番化されてきている「恵方巻き」についてご紹介。

あなたも「恵方巻き」について、知っていることは多いかもしれませんが、由来や食べ方のルールなど、「恵方巻き」のあれこれをご紹介していきますね。

4-1.節分で食べる恵方巻きの由来

節分に恵方巻きを食べる風習は、元々関西地方が由来とされています。
主に大阪の商人たちがやっていた風習で、1年の商売繫盛や無病息災を祈って、その年の縁起が良い方角(恵方)を向きながら太巻き寿司を食べていたそうです。

この関西での風習が全国的に広まったのはここ数年の話で、大手のコンビニやスーパーが、節分の販売戦略のために恵方巻きを広めていきました。
最近では、本当にいろんな種類の恵方巻きが販売されていて、それを選ぶのも節分の楽しみの1つになっていますね。

4-2.恵方巻きの食べ方のルール

もうすでに広く知られていることかもしれませんが、恵方巻きには食べ方にルールがあります。

・その年の縁起が良い方角を向きながら食べる
恵方巻きの「恵方」とは、縁起が良い方角という意味になります。
そのため、名前の通り縁起が良い方角を向きながら食べることになっています。

・途中で切らないように丸々一本を無言で食べきる
恵方巻きを途中で噛み切らないように、丸々一本最後まで食べきります。
これは「良い運気や縁を切ってしまう」を連想させてしまうので、最後まで切らずに食べることが必要です。
また、食べている最中に言葉を発することは、途中で切っていることと同じなので、最後まで無言で食べるようにしましょう。
正直・・・太巻きを丸々一本って、結構キツいですけどね。笑

・恵方巻きの中の具材は7種類
中の具材に関しては、7種類と決まっています。
これは、縁起の良い七福神から連想されているためです。
主に、椎茸やかんぴょう、エビ、だし巻き玉子、きゅうり、でんぶ、うなぎなどが具材として多く使われるようですが、特に決められてはいないので自由で大丈夫です。
コンビニやスーパーなどで買うのもいいですが、家族みんなで好きな具材を入れて、手作りの恵方巻きを食べるのもいいですよね。

 

5.【節分豆知識】渡辺さんは豆まきをしないって本当?

豆を投げる子供たち

ここで突然ですが、今この記事を読んでいるあなたは・・・渡辺さんですか?
いきなりわけのわからない質問で申し訳ありません。笑
今から節分の豆知識についてお話しようと思い、こんな質問をしました。

なぜ、あなたが渡辺さんか質問したのかというと、節分の豆知識で「苗字が渡辺の人は節分で豆まきをしなくてもいい」という噂があるからです。
なんか、とても信用できない話ですよね。

5-1.鬼は「渡辺」姓を恐れている

この話は平安時代から伝わる話のようで、その時代の武将である源頼光は、京都にある山を荒らして、人々を困らせていた鬼を退治するために討伐隊を編成しました。
その討伐隊のリーダーが渡辺綱(わたなべのつな)という人で、見事に鬼退治を成功させたんだそうです。

その後、退治された鬼の仲間の鬼が仇を討とうと討伐隊を倒しにきましたが、結局その渡辺綱が率いる討伐隊に返り討ちにあいましたとさ、というお話です。

この出来事がきっかけで鬼たちは、「渡辺」という名を聞くと恐れるようになり、鬼に怖がられている渡辺さんは「鬼は外!」と節分で豆をまく必要がなくなったとのこと。

5-2.同じく坂田さんも豆まきをしなくてもいいらしい

また、実は渡辺さんだけでなく、坂田さんも節分で豆まきをしなくていいとのこと。
これは童話に出てくる金太郎に由来する話で、鬼退治をした金太郎は武士に仕えることとなり、その時にもらった名前が「坂田金時」なんだそうです。
渡辺さんと同じく、金太郎も鬼を退治しているので、「坂田」姓も鬼に怖がられているみたいです。

先ほどの「渡辺」姓も含めて、正直どこまで本当なのかわからない話ですが、平安時代という古くから伝わる話ですので、ある程度は事実な部分もあるでしょう。
信じてくれるあなたには、節分に関するちょっとした豆知識の1つとして、家族や友達との談笑の中で、クスッと笑えるお話に使ってもらえればと思います

 

6.<まとめ>

小さな鬼のお面

今回は節分由来についてから始まり、節分でおこなう豆まきについてや節分に関する豆知識にいたるまで、節分のあれこれを記事にしてみました。

本当なの?と思う内容もあったかと思いますが、節分はただ漠然と豆をまく行事なわけでなく、節分って意外と奥深い行事なんだなと感じてもらえてたらうれしいですね。

節分由来や豆まきについて理解しておけば、さらに楽しい節分となるでしょう。
あなたもお子さんと一緒に、ぜひ楽しい節分を過ごしてくださいね。

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