あなたも「今すぐ子供を自転車に乗れるようにしてあげたい!」と思っていませんか?
実際に「子供を自転車に乗れるようにする簡単な練習方法はないのか?」「すぐに乗れるようにしてあげるには自転車教室のような所に行かせた練習したほうがいいのか?」などと、お探しの人もいるでしょう。
しかし、いざとなると「子供に怪我はさせたくない」「自転車に対して恐怖心を持ったらどうしよう」などと、どうやって練習させたらいいのかわからないものですよね。
それに「そもそも自分が子供に、自転車の乗り方をちゃんと教えてあげることができるのか?」と、当然不安にもなると思います。
自転車に乗れない子供を、どうやったら乗れるようにしてあげられるのか。
そのためには、自転車に乗れるために重要な・・・
・バランス感覚
・ペダルを漕ぐ
・操作力
という3点の練習を、それぞれ段階を踏んでいきながら、効率的に練習していくことが大切です。
この重要な3点を段階的にしっかりと練習できれば、今まで自転車に乗れなかった子供が1日で乗れるようになるでしょう。
今回は「どんな練習をおこなったらいいのか?」「どんな点に注意したらいいのか?」など、自転車に乗れるために重要な3点のポイントを踏まえた練習方法でご紹介していきます。
また、「オススメの自転車教室」や「自転車乗車時の安全な服装」などについても、一部ご紹介していきたいと思います。
目次
1.Step・1|まずは自転車のペダルを外してバランス感覚を養う練習
早速練習を始める前に、必ず安全な練習場所でおこなうようにしましょう。
・お家の庭
・近くの公園
・広いグラウンド
など
※必ず子供が1人で自転車に乗れるようになるまでは、車が通る公道での練習や子供1人での長距離走行はやめてください。
それでは、お子さんの快適な自転車ライフのために練習をスタートしましょう!
1-1.ペダルを外した自転車でバランス感覚を養う
まず自転車に乗れるようになるには、バランス感覚を養う練習が大切です。
そんな子供のために「ホビーバイク」という自転車入門者のための自転車があります。
(今回は「ホビーバイク」で紹介していますが、類似の自転車は他にも多数あります)
※【ホビーバイク】
・ペダルを付けずにバランス感覚を養うための自転車です。
(もちろん商品に同梱されているペダルを付けて走行することも可能です)
・対象年齢……3歳~6歳(2歳用のSサイズも有り)
・制限体重……30kg
1-2.バランス感覚を養うための自転車【ホビーバイク】
*ホビーバイクの使用方法
①まずはホビーバイクにまたがり、足を着いて、ハンドルをしっかりと持ちましょう
(基本的に足を着いた状態が基本姿勢になります)
↓
②次に足を原動力にして、座った状態で走るようにして前に進みます
(この時に曲がるなどして、ハンドル操作の練習も一緒におこなう)
↓
③スムーズに前に進めるようになったら、走行中に地面から足を離す練習をする
↓
④上達してきたら地面に足を着けて走る、足を離して走る練習を繰り返そう
↓
⑤足を離して5秒ほど走行できれば、バランスが保てていると言えるでしょう
2.Step・2|バランスが安定したら自転車にペダルを付けて漕ぐ練習
自転車に乗って、しっかりと安定してバランスが取れるようになったら、ペダルを付けて漕ぐ練習を開始します。
使用する自転車は……
・先ほどから使っているホビーバイクに付属のペダルを付けて使用
(自分でペダルが付けられない場合は、近くの自転車店へ)
・元々ペダルの付いてある別の子供用自転車を使用
どちらの自転車を使って練習するかはあなたの自由です。
*自転車を支えてあげながら漕ぐ練習をおこなう
①子供の自転車の後ろに回り、手で自転車を軽く支えるように持つ
(強く持ってしまうと子供が漕ぎづらくなるため、軽く支える程度にする)
↓
②支えながらゆっくりと走り、徐々にスピードを上げていきます
↓
③スピードを上げても安定するようになったら何回か数秒ずつ支える手を離してみる
(自転車から手を離している事が子供に気付かれないように後ろで持っているフリをする)
(手を離した時に転倒しそうになるなど、危険を感じたらすぐに掴んで支え直してあげる)
↓
④手を離す回数や時間を多くしていき、離したまま漕ぎ続けられればOK!
ここまでの第1章・第2章の練習をやることで、個人差はありますが、30分~1時間で自転車に乗れるようになりますよ!
もし、あなたの子供がこれでもなかなか自転車に乗れない時は、補助輪を付けて自転車に乗る感覚を掴ませる練習をしてあげてください。
3.Step・3|公道に出て運転する前に自転車の操作力を上げる練習
ここまでの練習で、あなたの子供が自転車に乗れるようになれば、いよいよ公道を1人で走っていくことになります。
しかし、公道は人が歩いていますし、車も通り危険です。
ただ単に自転車に乗れるだけではまだまだで、安心して公道を走っても大丈夫だという操作力(技術)を身に付ける練習をしておきましょう。
この練習で大丈夫と判断する基準は、次の3点です
・しっかりと前を向き、バランスを保って走ることができる
・ハンドルを安定して握ることができ、スムーズに曲がることができる
・危険を察知することができ、正確にブレーキをかけることができる
この3点を強化する練習をしていきましょう。
もし、3点の練習の中で納得がいかない部分があれば、お子さん自身が納得するまで、もしくはサポートする大人の方から見てまだまだ上達できていないと思えたら、少し時間をかけて頑張ってみてください。
3-1.【自転車の操作力を上げる練習】バランスを保つために直線の上を走ろう
この練習は、自転車に乗る時のバランス感覚を高めるためのものです。
直線の上を、なるべくふらついたりしてはみ出さないように気を付けながら、自転車で真っ直ぐ走る練習をおこないます。
①グランドの地面などに10mぐらいの直線を引く
(線が引ける物であれば、棒など引く物は何でも構いません)
↓
②水などを線の上に垂らし、線を濃くして分かりやすくしておく
(もし石灰などがあれば、それで白い線を引くのも良い)
↓
③準備ができたらその直線の上をはみ出さないようにまっすぐ走る
(なるべくよろめいたりしないように意識する)
↓
④慣れてきたら下を見ずに前方を向きながら直線の上を走る
(この時に前方に目印になる物や誰か立ってあげることでより効果的)
これにより自転車でのバランス感覚は、さらに強化されることでしょう。
3-2.【自転車の操作力を上げる練習】スラローム運転で曲がる時のハンドル操作を身につける
マーカーコーンなどを用いて、自転車でスラローム(蛇行・回転)運転をします。
カーブを曲がるためのハンドル操作を身に付ける練習です。
※マーカーコーン
サッカーの練習の時などに用いるコーンで、スポーツ用品店などに販売していて安いものであれば1000円前後で購入できます。
<スラローム運転>
直線上に置かれたコーンなどの目印に対して、右から左へとS字を描くように蛇行していく運転のことです。
①10mぐらいの距離の直線上にマーカーコーンを等間隔で置いていきます
(もしマーカーコーンがなければ、何か目印になるもので代用してください)
↓
②マーカーコーンの先頭からスラローム運転をスタートしましょう
↓
③マーカーコーンの先頭に立ったら自転車で右から進入し、左に曲がります
(今回は右からで紹介していますが、左からのスタートでも問題ありません)
↓
④左の位置に来たら次に左から進入し、右に曲がります
↓
⑤右曲がり・左曲がりを交互に繰り返していき、S字を描くように進んでいきます
↓
⑥コーンの折り返し地点まで来たら、来た道をまたスラローム運転で進んで行く
(折り返してはスラローム運転という一連の流れを、何度も繰り返し練習する)
このスラローム運転を何度も繰り返し練習することで、上手く曲がるために必要なハンドル操作がどんどんと上達していくことでしょう。
3-3.【自転車の操作力を上げる練習】正確なブレーキ技術を身につけよう
自転車での正確なブレーキ技術を身に付けるための練習です。
先ほど【3-2】で使用したマーカーコーンを利用して、10m四方の正方形を作ります。
(正方形の四つ角の地点に、マーカーコーンをそれぞれ置いてください)
準備する物は、マーカーコーン4つです。
その四つの地点から地点へと進みながら、自転車で正方形を描いていきます。
①スタートはどの地点から始めても構いません
↓
②スタートの地点から次の地点までまっすぐに進んでいく
↓
③次の地点のマーカーコーンまで近付いたら正確にブレーキをかけます
(☑Checkポイントで言った通りコーンを踏むことや通り過ぎないように注意)
↓
④ブレーキをかけて地点に到着したら、また次の地点へと進む
↓
⑤地点から地点へのブレーキ練習を繰り返しながら、綺麗な正方形を作りましょう
↓
⑥慣れてきたら徐々にスピードを上げた練習にチャレンジしてみる
(スピードが上がれば正確なブレーキも難しくなりますよ)
これを繰り返し練習することで、自転車の正確なブレーキ技術が身に付きます。
4.おすすめの自転車教室
ここまでの第1章~第3章の練習をおこなえば、自転車に乗れなかった子供も確実に乗れるようになっています。
しかし、自分で教えるのはやっぱり不安だし、あまり気が進まないという人は、各地でおこなわれている自転車教室などに行って練習してみるのもいいでしょう。
今回は一部ではありますが、オススメの自転車教室をご紹介しようと思います。
*パレスサイクリング自転車乗り方教室
・一般財団法人自転車産業協会が開催している自転車教室です
・東京の皇居周辺にあるパレスサイクリングコースにておこなわれています。
・小学生以上を対象とし、参加費は無料
*JCA(Japan Cycling Association)
・日本サイクリング協会が開催している自転車教室です
・東京の神宮外苑サイクリングコースにておこなわれています
・5歳以上を対象とし、参加費は無料、自転車の貸し出しも有り
*自転車博物館サイクルセンター自転車教室
・サイクル用品で有名なシマノが運営するシマノ・サイクル開発センターが開催している自転車教室です
・大阪府堺市にある大仙公園自転車ひろばにておこなわれています
・5歳以上(身長105㎝以上)を対象とし、参加費は無料、完全予約制(定員30名)
*ビタミンiファクトリー(へんしんバイク教室)
・第1章でご紹介したホビーバイクの発売元であるビタミンiファクトリーが開催している商品の使い方を含めた自転車教室です
(この教室ではへんしんバイクという商品を使いますが、仕様はほぼ同じものです)
・会場は全国各地にある大型スポーツ店や公園・広場で定期的におこなわれています
・対象年齢はホビーバイクの購入時と同じ3歳~6歳までが対象
・参加費や予約の有無は会場によって変わるため要確認
・手ぶらでの参加もOK
*全国各地の警察署・自治体・交通公園など
・お住まいの各地域にある警察署や自治体・交通公園などでも自転車教室が開催されています
・会場などの詳しい内容は、各サイトや近隣の警察署などに確認してみてください
5.自転車は子供の安全面を考えた服装で乗せてあげる
ここでは子供が自転車に乗る時の、服装について簡単にご紹介していきます。
自転車という乗り物は、危険を伴うことも十分に考えられるため、練習中はもちろん実際に乗れるようになって公道を走る場合でも、できる限り安全面を考慮した服装を心掛けてください。
何よりも、子供の安全が第一優先です!
5-1.乗車時の服装は長袖・長ズボンを着用
たとえ気温が暑くても寒くても自転車に乗る時の服装は、「長袖・長ズボン」を心掛けましょう。
もちろん【転倒した時のための怪我(すり傷など)防止が目的です!】
5-2.ヘルメット・エルボーガード・ニーガード・手袋
子供の安全のために、服装以外にも備えておいた方がいいアイテムがあります。
「そこまでしなくてもいい」と思うかもしれませんが、子供の「まさかの事態」を想定した場合に、やり過ぎるということはないです。
*ヘルメット
転倒してしまった時・人や物にぶつかってしまった時などに頭を守ります
特に13歳未満の子供は、自身の運転または大人の自転車への同乗の際に着用が義務化されています
*エルボーガード
転倒した時のために肘(エルボー)を守ります
*ニーガード
転倒した時のために膝(ニー)を守ります
*手袋
転倒時の怪我防止にもなりますが、大人よりも握力の弱いお子さんにはハンドルを持つ手のグリップ力アップにもつながり、安定性が増すことにも有効です
6.<まとめ>
今回ご紹介した自転車に乗れなかった子供が、1日で乗れるようになる3Stepの乗り方練習はどうだったでしょうか?
少しは子供のためになっていると幸いです。
練習場所の確保など大変な部分もありますが、今回の方法で自転車を練習すれば、確実に乗れるようになるでしょう。
また、練習中にお子さんが少しでもできることが増えたら、その度にしっかりと褒めてあげることも大切です。
子供は熱中もしやすいですが、嫌だと思うと飽きるのも早いですからね。
お子さんのモチベーションが下がらないように、「これができたら好きなお菓子を買ってあげる!」や「乗れるようになったら新しい自転車で好きな所にいっぱい行こう!」など、目標を決めてお子さんのモチベーションを上げながら練習を頑張りましょう!
ただし、自転車は車両であり、危険な乗り物でもあります。
自転車に乗れるようになったからといって、無茶な運転はしないで、交通ルールを守って楽しく安全に乗りましょうね!
【参考書籍】
・下山真二『日本で一番わかりやすい体育の本 跳び箱ができる!自転車に乗れる!』池田書店、2006
・堂城賢『自転車の教科書』小学館、2013