「電車」といえば、私たちを目的地まで連れていってくれる、すごく便利な乗り物です。「通勤(通学)で毎日利用する」「お出かけするときは電車が多い」という方も、たくさんいると思います。
今回は、そんな電車を気持ちよく利用するための「マナー」について、お話ししていこうと思います。電車に乗っている人みんなが快適に過ごせるよう、それぞれが迷惑行動(マナー違反)をしないように気をつけられればいいですね。
また、この記事を読んでいる方で「うちには子供がいる」という方は、ぜひお子さんに電車のマナーを学ぶ機会を作ってあげてください。親御さん自身がマナー違反をしないようにし、お子さんの前で見せてあげるのも良い方法ですね♪
目次
1. 「こんな人はちょっと…」乗車マナーがなっていない迷惑さん8選
まず始めに、どんな行動が「マナー違反」と考えられるのかをご紹介。
以下のような迷惑な人、あなたも見たことがあると思います…。
1-1. 「うるさい声」でお喋りをする人
「周りの人にわざと聞かせてるの?」と思いたくなるくらい、大きな声で話している人がいます。知り合いと電車に乗ってきて、ペラペラペラペラ…。お喋りをしている当人たちは楽しいかもしれませんが、聞きたくもない話を聞く周囲の人は「不快だわー」と感じてしまいます。
また、中には「それって大声で話していいの?」という内容のお喋りをしている人も。例えば、会社の同僚と、業務内容について事細かにペラペラと話している人とか…。「個人情報流出しない?」「上司に聞かれたら怒られるんじゃ…」と聞いている方もヒヤヒヤします。
車内では「静かな声で」「話す内容に気をつける」が鉄則ですね。
1-2. 携帯電話・スマートフォンのマナーがなっていない人
とくに「迷惑だなあ」と感じる携帯電話・スマートフォンのマナー違反は以下の3つ。
・駅のホームで、携帯電話・スマートフォンを歩きながら操作する人
人とぶつかって、自分の携帯電話・スマートフォンを破損、または転倒や線路への転落により自分が怪我をしたり、相手に怪我を負わせる可能性も。携帯電話・スマートフォンの操作はしないで、きちんと前を向いて歩いてほしいものです。
・電車内で通話をする人
電車での通話は極力避けていただきたい!周囲にいる人は、通話している人の声が気になり、不快感を覚えてしまいます。また、大事な電話がかかってきた場合は「今電車に乗っているので、折り返します」と一言いって、降車後に連絡していただけると、周囲の人からの印象もGood!
・操作音を気にしない人
携帯電話・スマートフォンの音を鳴らしながら操作する人もいます。これも、周囲の人にとってはただの「耳障りな音」。電車に乗るときは、携帯電話・スマートフォンをマナーモードにしたり、電源をオフにするようにしましょう。
1-3. 音漏れをしている人
ヘッドホンやイヤホンをして音楽を聴いている人、多いですよね。その中には、「音漏れに気付かず音楽を聴いている人」もいます。「電車の揺れや空調の中、音のボリュームを上げなければ、音楽が聴こえない…」という気持ちは分かりますが、漏れている音は周囲の人にとっては「聞きたくない音」なんです。
「音が漏れているよ」と指摘してくれる人はあまりいないと思うので、電車で音楽を聴く際は、希望のボリュームに上げてからヘッドホン・イヤホンを一度耳から外し、音が出ている部分を手や指で押さえてみましょう。それで音漏れしていなければ大丈夫。「音漏れしていないかな」とセルフチェックすることが大事です。
※ゲーム機の音も気になるところ。電車でゲームをするときは、ヘッドホン・イヤホンを使用し、周囲に音が聞こえないよう配慮しましょう。
1-4. はしゃいじゃう人
この迷惑行為をしているのは、幼稚園~小学校低学年くらいの子供が多いです。
駅や電車内で走ったり、あえて手すりを持たないで、電車の揺れに耐えられるか試してみたり…。本当に色々なことをやりますよね。
もちろんですが、「電車ではしゃぐこと」も子供自身の怪我につながったり、周りの人の怪我につながったりします。そのようなトラブルを避けるためにも、電車内でも親御さんはしっかりと子供を観察し、はしゃぎだしたら止めることが大事です。
1-5. 「我さきに!」あわてんぼうな人
列に並んで電車を待っている人がいるのに横入りをしてくる人。電車から降りてくる人を待たないで、電車に乗る人…。想像しただけでも「やめてくれよ…」と思ってしまいます。
列は並んで待つ。
乗り降りがスムーズにできるよう、人が降りたあとに乗車する。
当たり前のことだと思うのですが…。
1-6. お化粧をしている人
このタイプの迷惑さん、よくいますねー…。
とくに朝が多い気がします。
口紅程度なら周囲も許せるかもしれませんが、お顔に粉をはたいたり、ビューラーでまつ毛を上げてマスカラをしたり。さらには、揺れる電車でアイラインを引く強者も…!!
「朝は時間がない」「仕事に行かなきゃ」と慌てるのはよく分かる!
ですが、電車でのメイクはあまりよくないです。粉が飛んで周囲の人の服を汚してしまったり、「化粧品のニオイ」で気持ち悪くなってしまう人もいるかもしれません。また、電車が急停車した際、メイク道具で自分自身のお顔を傷つけてしまうこともあるでしょう。
そして、メイクをしている人のことを、周囲の人は案外見ています。
ちょっと恥ずかしいですよね。
ということで、メイクはお家で済ませてきていただきたい…!
1-7. 入り口付近に立って動かない人
この迷惑行動をしている人もよく見かけます。
「体調が悪い」「何か支えがないと立てない」という人は仕方がないと思います。しかし健康な人で、「座席と座席の間に移動するのが面倒」「ドアにもたれかかりたい」という人は、「ただの自己中心的な人か」と思われても仕方がありません…。降りたい人がスムーズに降りれない、乗りたい人がスムーズに乗れないんですよね。
「どうしても入口がいいんだー!」という人は、駅に着いたら一度電車を降りて、乗り降りする人の邪魔にならないよう努めてほしいところ。
1-8. 座席を占領している人
「これでもか!」というぐらい足を広げて座る人、足を組んで座る人もいます。そして、その足が邪魔で、あと1人(ときには2人)座れるのに座れないときが…。「ここはあなたの家のソファーじゃありませーん!つめてくださーい!」と思わず言いたくなっちゃいます。
また、荷物を座席に乗せる人もいます。この場合も、「ここはあなたのプライベート空間かー!」とツッコみたくなります。
脚はきちんと揃えて座る。
荷物は膝の上or網棚へ置きましょう。
1-9. 他にもいる!色んな迷惑さん
上でご紹介した8つの迷惑さん以外にも、人々はこんな迷惑さんに「おい!」と思っているようです。
- リュックサックを背中からおろさない、お腹側に回さない人
- 満員電車なのに新聞や本をでかでかと読む人
- がっつり飲み食いをする人
- 車内にゴミを置いていく人
- 床に座る人
- 酔っ払いの人 などなど。
色んな迷惑さんがいますよねえ…。
2. どうしてマナーを守るべきなの?
電車でのマナーは「法律」ではありませんので、「マナーを守る必要性」について思わず考えてしまう人もいると思います。1章で「こんなことが迷惑になるのね」と知った後は、どうして「マナーを守るべきなのか」について見ていきましょう。
電車でマナーを守るべき理由は以下の2つです。
2-1. 共通の空間を、みんなが快適に過ごせるようにするため
みんなが使う共通の空間(公共の場所)で、それぞれが自分の思う通りに過ごすと、お互いの行動・意見が合わず、衝突(=トラブル)が起こることがあります。
そして、そのトラブルがヒートアップすると、殴り合い・口論などに発展し、トラブルを起こした当人同士だけでなく、周囲の人も嫌な思いをします。また、トラブルを起こした人が「逮捕」されてしまうことも。
トラブルへと発展させないためにも、電車のような、みんなで使う共通の空間では「共通の行動をすること(=マナーを守ること)」が必要なのです。
2-2. 自分や周囲の人の怪我を避けるため
マナー違反をすることで、自分自身が転倒・転落し怪我をしてしまったり、自分が周囲の人に怪我を負わせてしまう可能性があります。
自分の身体を守るだけでなく、自分が加害者にならないためにも、マナー違反はしないようにしましょう。
3. 「優先席」はどのように使えばいいの?
以下のような人には、「とくに意識して席を譲りましょう」というのが優先席。
- お年寄りの方
- 妊婦の方
- 小さなお子さんを連れている方
- 障がい者の方
- 怪我などで立っているのが困難な方
また、優先席は「健康な人は座っちゃダメ!」というわけではありません。
優先席が空いていれば、健康な人も座れます。ただし、健康な人でも「優先席が必要な人に、いつでも席を譲れるよ!」という人が座るべきです。
優先席を必要としている人が目の前にいるのに、スマホをいじっていたり、寝たフリをしている健康な人は座るべきではありません。
4. 「女性専用車=女性だけが乗れる」ではない
「女性専用車」は痴漢防止対策としてできた車両です。
ただし「女性だけが乗れるんだ!」はちょっと違います。
以下の条件に当てはまれば、男性でも女性専用車に乗れる場合がほとんどです。
- お身体が不自由な方
- お身体が不自由な方を介護している方
- 小学生以下の男子
「女性専用車に乗っても、マナー違反にならない男性もいる」ということを知っておくようにしましょう。
5. 小さな子供を連れて電車に乗るときは
「子供が電車でも大人しくできるよう、おもちゃを子供に持たせている」「子供は自分の膝の上に乗せている」など、色々と配慮をしている親御さんは多いと思います。
そんな親御さんがとくに気になるのが「車内でのベビーカーの扱い」「子供がぐずったときにすべきこと」だと思います。この2点について、少し詳しく見ていきます。
5-1. 電車内でベビーカーはどうしたらいいの?
「電車内ではベビーカーを畳むべき?」「畳まないでも大丈夫?」
お子さんをお持ちの親御さんなら、一度は考えたことがあると思います。
実際のところ、「ベビーカーは畳むべきです」「畳まないでも大丈夫です」という意見は、人それぞれ異なります。ただ、「ベビーカーを畳まないこと」が「マナー違反だ!」と強く責めるのは少し違うと思います。
ベビーカーを畳むことは簡単なことではありません。子供+子供用品を詰め込んだカバンはとても重たいのです…。
そのため、親御さん一人+子供で出かけるときは、ベビーカーを無理して畳む必要はないと考えます。しかし、お母さんとお父さん+子供など、大人が二人以上いる場合は、一人が子供を抱き、もう一人がベビーカーを畳んで乗車すると印象がよいです。
5-2. 電車内で子供がぐずったときはどうすればいいの?
電車内で大声で泣いてしまう子供、叫び出す子供もいます。
そんなとき、親御さんは「どうしたの?あと少しで降りるからね」と優しく子供に声をかけてあげてください。目的地での「楽しみ」を子供に話してあげるのも良い手。「ぐずっている子供を無視しないこと」がとにかく大事です。
子供に話しかけても泣き止まない、叫び続ける場合は、次の駅で一旦電車を降りてみましょう。もしかすると、子供は体調が優れず、親御さんにそのことを訴えているのかもしれません。
電車を降りた後、ある程度言葉の分かる子供には、「どうして泣いたの?」「どうして騒いだの?」と聞いてみましょう。そして、子供が泣いた理由が体調不良などでなかった場合は、「電車で騒ぐと、周りのみんながびっくりしちゃうの」「〇〇ちゃんが騒いだから電車を降りたんだよ」と子供に伝えましょう。子供にとっても、マナーを覚える良い機会です。
また、電車に乗る前に、子供にマナーを学ばせておくと、電車の中でもお行儀よく過ごすことができるでしょう。
6. まとめ
ここまで「電車のマナー」について、細かくお話ししてきました。
人とのトラブルを避けるため、自分や相手が怪我をしないために、マナーはきちんと守りたいものですね。そして、より多くの方が、電車で快適な時間を過ごせると素敵です。
あなたにお子さんがいる場合は、子供自身を守るためにも、ぜひマナーを教えてあげてくださいね♪
【参考書籍】
・岩下 宜子『好印象を与えるママ&パパの子連れマナー 』主婦と生活社 、2015