「睡眠不足」ってすごくしんどいですよね…。仕事でのストレス、子育てなどで寝不足になってしまう人はかなりいると思います。
しかし!睡眠は私たち人間にとって、すごく大切なもの。
私たち人間は、満足のいく睡眠ができていないと、身体にとても辛い症状があらわれます。今回はそんな辛い症状の例を5つご紹介。
また、辛い症状例だけでなく、ぜひ知っておいてほしい「睡眠の知識」「睡眠不足解消法」もお話しします。「睡眠の大切さ」をきちんと知って、あなたの睡眠について考えていただけると嬉しいです。
―この記事を読む際の注意点―
- この記事は「大人の睡眠不足」について書かれた記事です。お子さん向けではありませんので注意してください。
- 「睡眠不足が続いている」「眠れないことがストレスになっていて辛い」などという場合は、お医者さんに診てもらいましょう。お医者さんにサポートしてもらいながら、睡眠不足を解消していってくださいね!
目次
1. 睡眠不足によって現れる症状例5つ
睡眠不足によって、私たちの体は色々な不調を起こします。この章では、睡眠不足が引き起こす症状例を5つご紹介!
体が「もうしんどい!」と言っている状態なので、以下のような症状が出たときは、夜の用事はなるべく避けて、睡眠時間をきちんと確保しましょう。
1-1. 睡眠不足によって現れる症状例【風邪を引きやすくなる】
睡眠不足の状態が続くと、私たちの体は病気にかかりやすくなります。これはなぜかというと、睡眠不足により「免疫細胞」がきちんと活動できなくなるからです。
「寝不足で体調を崩した」という方が多くいらっしゃいますが、これは寝不足により、免疫細胞の働きが悪くなってしまったからかもしれません。
1-2. 睡眠不足によって現れる症状例【肌荒れを引き起こす】
睡眠不足は肌荒れを引き起こします。一体なぜなのでしょうか? 理由は様々です。
例えば「成長ホルモン」と「メラトニン」。
成長ホルモンは私たちが眠っている間に、脳下垂体から多く分泌されます。そして分泌された成長ホルモンには、「肌を元気にする」という役割があるのです。
また、睡眠中に脳の松果体という場所から、「メラトニン」が分泌されます。このメラトニンは、肌の酸化を予防してくれます。
つまり、睡眠不足により、成長ホルモンとメラトニンが、十分に分泌されないと「肌荒れを起こしやすい肌」になってしまうのです。
1-3. 睡眠不足によって現れる症状例【生理不順を引き起こすことも】
睡眠不足が気になっている女性の方で、生理不順になっている方はいませんか…?
女性の場合は、睡眠不足によって、生理不順を起こしてしまう可能性があります。
これはなぜかというと、睡眠不足により、ホルモンバランスが乱れてしまうからです。
1-4. 睡眠不足によって現れる症状例【肥満になりやすくなる】
睡眠不足によって肥満になる可能性がアップ!
睡眠不足による肥満は、脂肪細胞が出す「レプチン」というホルモンと、胃が出す「グレリン」というホルモンが関係しています。
レプチンには食欲を抑える役割が、グレリンは食欲を湧かす役割があります。
睡眠不足になると、レプチンの分泌量が減り、反対にグレリンの分泌量が増えてしまうのです。その結果、睡眠不足によって太りやすくなってしまうのです。
1-5. 睡眠不足によって現れる症状例【脳の働きが低下する】
私たちの脳には「扁桃体」という部分があります。そして睡眠不足により、扁桃体の働きが活発に。
扁桃体の働きが活発になってしまうと、怒りを感じやすい状態となってしまいます。
また睡眠不足は、前頭葉の機能低下も招きます。そして、前頭葉が上手く働かないと集中力が低下。
日中、集中して物事と向き合うため、睡眠不足に陥らないようにしたいものです。
2. 睡眠不足が原因でなるかもしれない病気
睡眠不足によって、かかるリスクが高まる病気があります。
この章では3つの病気を例にとってお話ししますね。
2-1. 睡眠不足によって高まるリスク【うつ病】
睡眠不足によって、うつ病になる危険性が高まります。
うつ病になると、「気分の落ち込み」「注意力が低下してしまう」「食欲が湧かない」などの症状が現れます。
2-2. 睡眠不足によって高まるリスク【糖尿病】
睡眠不足は、すい臓が出す「インスリン」の働きにも悪影響を及ぼします。
そのため睡眠不足によって「糖尿病のリスクが高まる」と言われています。
2-3. 睡眠不足によって高まるリスク【高血圧】
睡眠不足によって、「高血圧」になるリスクが高まります。
そして、その高血圧は、脳卒中・心不全・心筋梗塞などになるリスクを高めてしまうのです。恐ろしいですよね…。
これから先健康であるためにも、睡眠不足解消のために動いていくようにしましょう!
3. ただの睡眠不足の症状ではない!「ナルコレプシー」について知ろう
「怠け者」と間違われることがある、「ナルコレプシー」についてお話しします。
ナルコレプシーの症状は、夜ちゃんと眠れている人にも出る可能性があります。自分が置かれている状況を問わず、日中に耐えがたいくらいの強烈な眠気に襲われる人はナルコレプシーかもしれません。
ナルコレプシーは寝不足ではなく「睡眠障害」。「自分はナルコレプシーかもしれない」と思ったら、病院できちんと診てもらってくださいね。
4. 生活を見直して、睡眠不足を解消しよう!
この章からは、睡眠不足の解消法についてお話ししていきます。
睡眠不足を解消したい場合、まずは自分の「生活」を見直してみましょう。
4-1. 生活を見直して睡眠不足を解消【カフェインの摂り方に注意する】
コーヒーや紅茶などに含まれる「カフェイン」には、みなさんご存知の通り「覚醒作用」があります。これは、人体に存在している、眠気を誘う原因となる「アデノシン」の働きを阻害するから。
そして、血液中のカフェイン濃度が弱くなってくる(一番濃かったときの半分くらい)のに、遅い人であれば5時間ほどかかります。そのことを考慮するのと、睡眠不足解消のため、夕方以降はカフェインは摂らないよう心がけたいものです。また「カフェインの摂りすぎ」は体調を崩す原因となりますので注意してください。
ちなみに、カフェインは、コーヒーや紅茶の他に、抹茶、ココア、ウーロン茶などにも含まれています。「自分がよく口にする飲み物に、カフェインが含まれているのか」を念のためチェックしておくといいかもしれませんね。
4-2. 生活を見直して睡眠不足を解消【運動をする】
運動をして「肉体的な疲労」を適度に感じ、夜の睡眠の質を高めましょう。
睡眠不足を解消したいのであれば「有酸素運動」をするのがオススメです。「そういえば最近運動していないかも…」という寝不足さんは、毎日のウォーキングから始めてみるのもいいかもしれませんね♪
ちなみに有酸素運動には以下のようなものがあります。
―有酸素運動・例―
・水泳
・ウォーキング
・ジョギング
・ヨガ
・サイクリング
有酸素運動は30分間くらい、できれば毎日行うようにしましょう。また、ベッドに入る3時間前までに終わらせられるのが理想です。
4-3. 生活を見直して睡眠不足を解消【眠る前はタバコを控える】
眠る前にタバコを吸わないようにしましょう。というのも、眠る前に無計画にタバコを吸うと、覚醒作用のある「ニコチン」が睡眠の質に悪影響を及ぼしてしまいます。
睡眠不足を解消したいのであれば、タバコは眠る2時間前からは控えるようにしましょう。
4-4. 生活を見直して睡眠不足を解消【眠る前はスマートフォンをいじらない】
スマートフォンの画面からは「ブルーライト」が出ています。そしてブルーライトも睡眠の質を低下させる原因に。
例えば、ブルーライトは、眠るために必要なメラトニンの分泌を抑えてしまいます。
「寝る前はスマートフォンを触りたい!」という気持ちはすごく分かりますが、睡眠不足解消のためにも、眠る2時間前からはスマートフォンの使用は控えたいところです。
4-5. 生活を見直して睡眠不足を解消【シャワーだけでなく、きちんと入浴をする】
入浴は、睡眠不足解消に効果的だと言われています。
お風呂にお湯をためて入浴することで、深部体温(脳・内臓など体の中の温度)を上げることができます。そして、お風呂から出ると深部体温が下がっていきます。このとき、眠気がやってくるのです。
お風呂に入るのは、眠る1時間前までが良いとのこと。約20分~30分間、40℃ほどのお湯に入りましょう。
5. 睡眠不足による眠気を一時的に解消!【ホットコーヒー+仮眠作戦】
「今日は睡眠不足だからか、なんだか眠いな」という人に、「一時的に眠気をどうにかする方法」をお話しします。
ただし、今からご紹介する方法は「根本的な寝不足の解消」にはなりませんので、睡眠不足に悩んでいる人は上でご紹介した【生活の見直し】などにもチャレンジするようにしてくださいね!
私が一番オススメする、眠気をやっつける方法。それは「仮眠」です。「仮眠を取るくらいなら違う作業をしたい!」と思ってしまうかもしれませんが、眠気のあまり効率よく仕事ができないとなんだか辛くなっちゃいますよね…? 効率よくサクッと仕事をこなすためにも、思い切って仮眠を取ってみましょう!
頭をスッキリさせるために、お昼~15時までのどこかで、仮眠を20分くらい取るとよいでしょう。
そして、仮眠を取る際は、うっかり30分以上眠らないように気をつけてくださいね。30分以上眠ると、寝起きが悪くなってしまいます。
また、仮眠前にホットコーヒーを飲むのも良いそうです。カフェインの効果が出てくるのが、摂取してから30分くらい後。つまり、仮眠を取り終わった頃に、カフェインによる覚醒作用を感じることができるというわけです。(アイスコーヒーは、冷たいせいで体が素早く吸収できません。そのため、仮眠後すぐにシャキッとしたいのであれば、ホットコーヒーの方がおすすめです)
※上記(5-1. 生活を見直して睡眠不足を解消【カフェインの摂り方に注意する】)でもお話ししましたが、カフェインの摂取は夕方以降控えるようにしましょう。夕方以降に摂取してしまうと、夜の眠りに悪影響を及ぼす可能性があります。体調を崩す原因となる過剰摂取もNGです。
6. まとめ
以上、睡眠不足について詳しくお話ししました。最後にこの記事のまとめを記載しておきますね。
―本記事【まとめ】―
- 睡眠不足が続いている/ 眠れないことがとにかくストレス
‥自分自身で解決策を見つけるのではなく病院へ行く。体が危険信号を出している状態です
- 睡眠不足によって現れる体の不調は様々
‥例えば、睡眠不足は、風邪・肌荒れ・生理不順・肥満・脳の働き低下の原因となる
- 睡眠不足によって、かかるリスクが高まる病気もある
‥例えば、うつ病・糖尿病・高血圧
- ナルコレプシーについて
‥ナルコレプシーは「睡眠障害」のひとつ。疑いがある場合は病院へ行く
- 睡眠不足解消のため
‥カフェインは夕方以降摂取しない。過剰摂取にも注意
‥30分くらいの有酸素運動をできれば毎日行う
‥眠る2時間前からはタバコを吸わない
‥眠る2時間前からはスマートフォンを使用しない
‥入浴をして体を温める(眠る1時間前までに、40℃ほどのお湯に約20分~30分間つかる)
- 一時的に眠気を解消したい場合
‥ホットコーヒーを飲んでから、20分くらい仮眠を取る(お昼~15時までの間に仮眠を取ること)
私たち人間にとって「睡眠をとること」はとても大切。睡眠を犠牲にしてまで、用事を行うのは極力さけるようにしましょう。睡眠不足をいち早く解消して、毎日元気に過ごせるようになると最高ですね♪
【参考書籍】
・久保田 博南、五日市 哲雄『枕と寝具の科学 (おもしろサイエンス) 』日刊工業新聞社、2017
・キャサリン・トビン『7日間で完結! 赤ちゃんとママのための「朝までぐっすり睡眠プラン」』大和書房、2017
・神山 潤『子どもを伸ばす「眠り」の力―ココロ、からだ、脳をイキイキさせる早起き早寝の科学と文化』WAVE出版、2005
・ロバート・ローゼンバーグ『睡眠の教科書――睡眠専門医が教える快眠メソッド』シャスタインターナショナル、2017
・裴 英洙『一流の睡眠―――「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略』ダイヤモンド社、2016