読書効果|子供が本から得られる3つの大切なこと

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「本を読むことはとても大事なんだよ」

多くの方が子供の頃、周りの大人から言われたセリフだと思います。しかし、どうして本を読むことは、子供にとってそんなにも大事なのでしょうか。

 

今回はその謎に迫るべく、「子供が得られる読書効果について詳しくお話ししていきます。

 

また、このページは「うちの子に本を読む習慣をつけてあげたい」というお母さん・お父さんにも見ていただきたい内容となっています。

 

「本好きな子どもを育てる方法」「子供が好きになってくれそうな本」も併せてご紹介しているので、ぜひ読んでいってくださいね♪

 

1. 読書で得られる3つの効果

それでは早速、読書をすることでどんな効果を得られるのかを見ていきましょう。

 

「本を読むことで新しい知識を得られる」というのは、みなさんはもうご存知かと思いますので、その他の重要な3つの効果についてご紹介します。

 

1-1. 「伝えるための言葉」を学べる

まず1つ目は、本を読むことで「人に伝えるための言葉が学べる」という効果です。

少し分かりづらいと思いますので、例を挙げて具体的にお話ししていきます。

 

例えば、あなたの知り合いに幼稚園、または小学校低学年くらいの男の子がいたとします。

 

その男の子と久しぶりに会った際、その男の子が「僕は怖い」とあなたに言いました。恐らく、それを聞いたあなたは少し戸惑ってしまうと思います。なぜならば「僕は怖い」だけだと、以下の2通りの意味でとれてしまい、男の子が何を言いたいのかが分からないからです。

「僕は怖い」=

・男の子が何かを怖がっている

・男の子自身が自分は怖い存在なんだと主張している

 

なぜこんなことが起こるのかというと、小さな子供はまだまだ「伝えるための言葉」を十分に知らないからです。しかし、一生懸命、人に伝える努力はしています。

 

そんなとき「読書」はとても効果的です。基本的に、本の中にある文章は「人に伝えるため」に書かれた文章です。つまり、本の中の文章は、子供にとっては良いお手本。

 

本を読みながら「伝えるための言葉」を吸収することができます。

 

1-2. 「強い集中力」が身につく

本の内容を理解しながら読むためには、「集中力」がいりますよね。

 

読書を始めたばかりの小さな子供は、集中力が持続せず、すぐに飽きてしまうかもしれません。しかし、「楽しい本」「素敵な本」に出合えて本が好きになると、本を読むことに没頭(=集中)することができます。長時間読むのも苦ではなくなるでしょう。

 

実は、この「強い集中力を得る」「集中している時間を体験する」というのはとても大切なことです。とくに小学生は授業があり、お家で宿題もしなければなりません。そんなときに「自分は集中することができる」ということを知っていれば、勉強も集中してできるようになります。

 

また、「強く集中する」「没頭する」ということはストレス解消にも効果的だそうです。

 

サセックス大学の研究

過去にイギリスのサセックス大学が「音楽を聴く」「本を読む」「散歩をする」「ゲームをする」などのうち、どれがストレス発散に一番効果的かを調査しています。その結果、「本を読む」というのが、一番効果的ということが分かりました。(なんと調査対象の人たちのストレスは、わずか6分間の読書をするだけで、約70%も軽減されたそうです)

 

これは、読書をしている最中は没頭している状態なため、「ストレスが溜まる現実を見なくてすむから」だそう。子供の心を穏やかにするためにも、読書はとっても効果的かもしれませんね♪

 

1-3. 「想像力」が身につく

読書をすることで「想像力」を身につけることができます。

では、想像力が身につくとどんな嬉しいことが起こるのでしょう。

 

このページを書いている筆者も「読書好き」なのですが、想像力がついて何が良かったのかを、筆者が感じたことも含めてお話していきますね。

 

1-3-1. 「成功はきっとやってくる」という自信が生まれる

本の中には「お話の中心となる人物(主人公)」がいます。その主人公は一冊の本の中でたくさんの経験をしますよね。

 

例えば、有名な絵本で「ぐるんぱのようちえん(作/西内 ミナミ)」がありますが、あなたは読んだことがありますか?とっても素敵な絵本なので、お話の概要を少しご紹介しますね。

 

「ぐるんぱのようちえん」概要

「ぐるんぱ」という大きな象が、ある日働きに出ることになります。しかし、大きすぎるクッキーを焼いてクッキー屋さんをクビになったり、大きすぎるピアノを作ってピアノ工場をクビになったり。どこにいっても失敗ばかり。ぐるんぱは深く落ち込んでしまいます。しかし、そんなぐるんぱの前に、たくさんの子供を連れたお母さんが登場します。子供たちから大人気なぐるんぱ。ぐるんぱは「幼稚園」を開き、自分の居場所を見つけます。

 

私も「ぐるんぱのようちえん」が大好きな子供でした。本を読んでいるうちに、いつの間にかぐるんぱの気持ちになって、悲しい気持ちや、居場所を見つけたときの嬉しい気持ち(=「成功体験」に似たもの)を感じました。

 

「ぐるんぱのようちえん」以外にも、主人公が頑張って、やっと成功を掴むお話はたくさんあります。そのようなお話を読み、主人公に感情移入することで、「頑張ればきっと成功がやってくる」ということを子供は知ることができるでしょう。

 

1-3-2. 「人の気持ち」を考えられるようになる

本の中にはたくさんの登場人物が出てきます。その人物たちが置かれている状況や、気持ちを想像することで、子供たちは「人の気持ち」を考えられるようになります。ここでは、「わすれられないおくりもの(作:スーザン・バーレイ)」という絵本を例にとってお話しますね。

 

「わすれられないおくりもの」概要

「アナグマ」は森中の動物たちに愛されているお爺さん。しかし、ある日アナグマさんが亡くなってしまいます。森の動物たちは悲しみます。そして、アナグマさんとの楽しかった思い出を振り返り、アナグマさんの「死」とどう向き合えばいいのかを考えるのです。

 

「わすれられないおくりもの」を読む子供たちは、お話に出てくる森の動物たちの気持ちになって、「この動物はアナグマさんに対してどんな思いを持っていたのか」を考えずにはいられなくなると思います。これは私たち大人が「あの人はどう思うのかな」と考えるときと似ていますね。

 

1-3-3. 「人それぞれの価値観」を学べる

本を読むと「人それぞれ色々な価値観がある」ということを学ぶことができます。とくに「こだわりが強い人物」が出てくる本は、価値観についてよく考えることができます。例えば、有名な児童書「どろんここぶた(作:アーノルド・ローベル)」は、「人それぞれの価値観」を知るのにとっても良い本です。

 

「どろんここぶた」概要

あるところに「どろ」が大好きなこぶたが居ました。そんなこぶたの楽しみは、農園にある小さなどろの沼に入ること。しかし、農園を営む夫婦が、ある日農園をピカピカに掃除してしまい、どろの沼もなくなってしまいました。こぶたは悲しみ怒り、農園を出て行ってしまいます。出て行った先でこぶたはどろの沼に似た、「乾いていないセメントの沼」を見つけます。「新しいどろの沼を見つけた!」と喜んだこぶたはセメントの沼に入ってしまい…。

 

こぶたの「どろへの愛」を感じるこの本。ラストは「こぶたはどろが大好きだ」ということを知った農園の夫婦が、農園にどろの沼を作り、ごぶたが帰ってきます。「どろ」は人によっては無価値なもの。しかし、こぶたにとってはすごく大切なものだったんですね。

 

何かに対してこだわりが強い登場人物が出てくると、「私にとってあまり必要ではないけれど、他の人にとってこれはすごく価値があるものなんだな」と知ることができますね。

 

2. 「本が好き!」と子供に言ってもらうには

本の効果を知った後は、「どうやったら子供が本好きになるのか」を見ていきます。

本好きになってもらう方法を具体的にご紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

 

2-1. どうして我が子は本嫌い?

「うちの子、読書嫌いなのよね…」と悩んでいる親御さんもいると思います。

では、なぜ子供が読書嫌いになってしまうのでしょうか。

 

その理由は「大人からの押し付け(命令)」かもしれません。

 

子供に「本を読みなさい」と強く言ったりしていませんか?

 

確かに本を読むことは、子供にとって大事。

ですが、「絶対やらなければいけないこと」ではありません。

 

私たち大人でも、別に自分がやらなくてもいいのに「これやって」と誰かから強く命令されると、嫌な気持ちを覚えますよね。それと似た嫌な気持ちを、親から読書を強要されることで、子供は感じているのかもしれません。

 

また、「この本を読みなさい」と親御さんお気に入りの本を、無理やり渡すのもよくありません。

 

確かに、世の中には素敵な本がたくさんあります。「子供に良い本を教えてあげたい」という気持ちも良く分かります。

 

しかし、いくら親子であれ「感動するポイント」は同じとは限りません。

親御さんが感動したからといって、子供にはその感動が分からないこともあるのです…。

 

「この本を読みなさい」ではなく、「子供が読みたい本を選び、子供にとっての素敵な本」を見つけられるようにしましょう。

 

2-2. 実際に試したい!本好きな子供を育てる4つの方法

ここからは、「本好きな子供を育てる方法」を見ていきます。

本好きな子供を育てるためには、まず「本に興味を持たせてあげること」が大切です。

 

2-2-1. 「良い本」と出合うための環境作りをしてあげる

子供が「この本を読んでみたい!」と自ら思えるような環境作りをしてあげましょう。

 

週末に子供と図書館に行き、子供が興味を示した本を10冊くらい一気に借ります。そして、借りた本を子供が「読みたい」と思ったときに、いつでも手に取れるような場所(リビングや子供部屋など)に並べて置くなどもいい手段です。

 

また、お金はかかりますが、「おもちゃは特別な日だけ。だけど本ならいつでも買ってあげる」と子供に思わせるのもよいです。そうすることで、子供の本への興味はより一層強くなり、「読みたい」という意欲を持たせてあげることができます。

 

2-2-2. 家庭内での「読書タイム」をできれば毎日確保する

読書」を習慣化させてあげることも大事です。

1日のうちのいつでも構わないので、「子供が本を読む時間」を確保してあげましょう。

 

また、子供が本を読む時間に、親も一緒に本を読むのがよいでしょう。

子供は親が本を読んでいる姿を見ると、「何してるの?」「それおもしろいの?」と思い、読書への興味を示すことでしょう。

 

加えて読書は大人にも良い効果があり、子供と同じような効果が得られるだけでなく、アルツハイマー病予防にもなるそうです。

 

―補足・学校での「朝読書」にはどんな効果があるの?—

子供が通う学校には恐らく、授業が始まる前に「朝読書(10分くらい)」の時間があると思います。

 

睡眠中に私たちの脳は得た情報を整理します。そのため朝は、頭がスッキリ整理された状態です。また、1日の情報がまだそれほど脳に入ってきていないため、本からの新しい情報も得られやすいです。さらに、本を読んで心を落ち着かせることで、授業にスムーズに入っていけるようです。

 

2-2-3. 本で得た知識を現実で見せてあげる

「これ本で見た!」そう思える体験を、子供にさせてあげるのもよいでしょう。

本を読んで知ったもの(例えば、乗り物や動物など)が、本当に現実にあると知ったら、子供のテンションもあがりますよね。

 

「現実に繋がる本もある」と身をもって体験できれば、子供も「本ってためになるんだな」「本を読んでもっと知りたい」と思えるようになります。

 

2-2-4. 紙芝居を読んであげる

実は私も幼稚園の頃、あまり本を読まない子でした。

そんな私に父がしてくれたことが「紙芝居を読む」ということ。

 

紙芝居は本と違って大きく、表側には絵しかありません。

さらに展開も早いので、幼い私は楽しくお話と触れ合うことができました。

 

また「面白い物語もあるんだなあ」と思えるきっかけにもなりました。

(うちの父は図書館で紙芝居を借りていました)

 

3. 「読み聞かせ」をしてあげよう

「自分で本を読むのが苦手」というお子さんや、「まだ字を読めない」という小さなお子さんには、親御さんが「読み聞かせ」をしてあげましょう。ちなみに、読み聞かせを始める年齢は何歳からでも構いません。

 

読み聞かせをすることで、親子のコミュニケーションが生まれ、「本を知る」「物語を知る」というきっかけを子供に与えることができます。

 

3-1. 上手な読み聞かせの方法

読み聞かせをする本は子供に選んでもらうのがよいでしょう。

 

読み聞かせる場所は子供がリラックスできる場所。

子供をベッドに寝かせて、読み聞かせをしてあげるのもおすすめです。

 

そして、読み聞かせる本を読む際、親御さんはできるだけ自然なトーンで本を読むようにしましょう。「登場人物になりきって」「抑揚をつけて」などをオーバーにやりすぎると、そっちの方が気になってしまい、お話を聞いている子供がお話に集中できなくなってしまいます。

 

3-2. 子供が読み聞かせを聞いてくれないときは

「子供が読み聞かせを聞いてくれない」「全然理解してないみたい」そう感じたときは、読み聞かせをしながら、本の挿絵について子供と話してみましょう。

 

「この人はなにをしてるのかな」「このお姫様かわいいね」などでも構いません。

子供が本に気を向けられるように、工夫をしてあげることがポイントです。

 

4. 幼稚園・小学生の子供が好きになってくれそうな本

「子供が好きになってくれそうな本」を何冊かピックアップしてみました。

「どの本ならうちの子は好きになってくれるかなあ」と考える際の、参考にしてみてくださいね。

 

4-1. 幼稚園生

幼稚園生の子供はとにかく「お話と触れ合うこと」が大切。挿絵がたくさんあり、無理をしなくても理解できるような簡単なストーリーのものがよいです。

 

―おすすめの5冊―

・はらぺこあおむし(作/エリック・カール)

・ぐるんぱのようちえん(作/西内 ミナミ)

・おばけのバーバパパ(作/アネット・チゾン、タラス・テイラー)

・三びきのやぎのがらがらどん(ノルウェー昔話)

・おおきなかぶ(ロシア昔話)

 

4-2. 小学校低学年

まだまだ字が上手に読めない子もいるはず…。「本って面白いな」と思ってもらえるように、小学生だからと無理をせず、文字数がそんなに多くない本を選びましょう。

 

―おすすめの5冊―

・うさぎの小学校(作/アルベルト・ジクストゥフ)

・どろんここぶた(作/アーノルド・ローベル)

・わすれられないおくりもの(作/スーザン・バーレイ)

・あらしのよるに(作/きむら ゆういち)

・手ぶくろを買いに(作/新美 南吉)

 

4-3. 小学校中学年

1人でも読める本がだいぶ増えてきた頃。あまりに長いお話を読むと、「ストーリーが進まなくてつまらない」となってしまう可能性があるので、ストーリーがポンポンと進む本を読みましょう。

 

―おすすめの5冊―

・セロひきのゴーシュ(作/宮沢 賢治)

・ルドルフとイッパイアッテナ(作/斎藤洋)

・スチュアートの大冒険(作/E・B・ホワイト)

・ねむりひめ(グリム童話)

・長ぐつをはいたねこ(作/ハンス・フィッシャー)

 

4-4. 小学校高学年

興味がある本をたくさん読み、「これはずっと忘れられない」という運命の1冊に出会わせてあげたいですね。また、「本を読むのが苦手」という子供は、小学校中学年の子が読むような本を読んで、慣れることから始めましょう。

 

―おすすめの5冊―

・ムーミン谷の夏祭り(文・絵/トーベ・ヤンソン)

・クラバート(作/オトフリート・プロイスラー)

・床下の小人たち(作/メアリー・ノートン)

・赤毛のアン(作/ルーシー・モード・モンゴメリ)

・精霊の守り人(作/上橋 菜穂子)

 

※私は「キラキラ子どもブックガイド(玉川大学出版部)」という本を持っています。この本は小学校低学年~高学年までの「おすすめ本」を360冊も紹介してくれています。「子供が好きになってくれるような本を探したい」という親御さんは、手に取ってみるのもいいかもしれません。

 

5. 「漫画」ってどうなの?

「漫画」にも他ジャンルの本と同じような効果があるのでしょうか。気になる方もいると思うので、少しだけお話しします。

 

正直なところ、漫画に関しては「賛否両論」といったところです。

 

漫画でも、登場人物に感情移入をして、その人物の気持ちを想像することができます。しかし、漫画は絵で構成されているため、自分自身の頭の中で、「どんな場所なのか」という情景を思い浮かべることがあまりありません。

 

また、漫画を読むことで「今使われている言葉」を知ることはできます。ただ、漫画の中の登場人物が使う言葉は、人物同士が話す「話し言葉」。文章で構成されている一般的な本のような、論理的な言葉で構成されていません。そのため、「人に伝えるための言葉を知る」という点では、一般的な本の方が優れています。

 

しかし、漫画は「文字を読む」というきっかけ作りにもなります。「うちの子は文字を読むのがとにかく苦手」「本に全く興味を示さない」という場合は、漫画からスタートしてみるのもよいと思います。

 

6. まとめ

読書する時間」は子供にとって、かけがいのない時間です。

その時間を子供が自ら楽しめるように、親御さんはそっとサポートしてあげてください。

 

そして、もし子供を持つあなたも読書が苦手なのであれば、この機会に子供と一緒に本と向き合ってみましょう。

 

あなたの心も、子供の心と一緒に、さらに豊かになっていくことでしょう。

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