子供がまだ生まれたばかりの頃は、あなたが何でもやってあげなければならず大変な時期だったことでしょう。
そんな時期をどうにか乗り越えて、ようやく育児にも慣れてきたあなた。
子供もできることが増えてきてホッとしたのもつかの間、子供は1歳半を過ぎた頃から「イヤイヤ期」を迎えるのです。
それは、世間で
「魔の2歳児」
と恐れられるほど子供が手ごわい存在になる時期です。
何でも「イヤイヤ!!」
何でも「自分でやる!!」
それはもう、できることなら迎えたくない時期です・・・
しかし、子供によって程度の差はありますが、その時期は確実にやって来ます。
そんな「イヤイヤ期」を迎えた子供に、どう対応してあげれば良いのか。
子供が成長するにあたって、大切なこの時期に親はどうしていくべきか。
「イヤイヤ期」の対応方法をご紹介します。
大変な時期も今だけ! 子供が成長している証拠!
これからご紹介する対応方法を参考にしていただき、「イヤイヤ期」を上手に乗り越えましょう。
目次
1.【対応1】子供に共感する
子供がイヤイヤとし出したら、まずはあなたも「イヤだったね」と言って子供に共感してあげてください。
子供がイヤイヤしている時、あなたは「何で?何がそんなにイヤなの?」と思い、困り果ててしまうことでしょう。
あなたの気持ちはよくわかります。
しかしそれはちょっと置いておいて、子供に共感してあげてください。
このような時、実は子供自身もイヤとは言ったものの何がどうしてイヤなのか訳が分からなくなっている場合も多いのです。
そんな時に一番近くにいるあなたがわかってあげることで、イヤイヤが落ち着いてくれることもあります。
まだ上手に言葉で伝えられなくても、「わかってほしい!」という欲求はとても強いのがこの時期の子供です。
「大丈夫よ、あなたのことはきちんとわかっているのよ」
という大きな愛で受け入れてあげましょう。
2.【対応2】子供の気をそらす
子供が危ない場所で遊んでやめようとしないという時に、あなたが注意したらイヤイヤするという場合は「こっちにしようか」と別な物で気をそらしましょう。
まだイヤイヤの初期段階であれば、「こっちで○○して遊ぼうか」などと、気をそらしてあげるとあっさり上手くいく時もあります。
子供は、好きなことをして遊んでいるのに途中で止められることを嫌がります。
例えばそれが危険な場所であったり、危険な行為だったとしても、子供にとって「遊び」である以上、途中であなたが止めると「イヤ!!」となることでしょう。
しかし危ないことはすぐにやめさせなければならないので、他の楽しそうなことを提案して気をそらすことができると良いです。
ただし、2歳を過ぎる頃になると少しずつ意志が強くなるので、気をそらす方法が上手くいかなくなることもあります。
そのような時はある程度言い聞かせて説得することになります。
根気強く言い聞かせなければならないのであなたは大変です。
しかしそれは子供にとっても、イヤイヤをどう乗り越えて自分の気持ちを切り替えていくか、という良い練習になります。
3.【対応3】一時的に距離を置く
あなたが何をしても子供のイヤイヤがどうにも収まらなかったら、思い切って少しの間放っておきましょう。
イヤイヤが激しく手が付けられなくなった時は、あなたが叱ろうが、注意しようが、ただ話しかけただけであろうが、ますますイヤイヤが爆発してしまうこともあります。
何をしてもダメな時は、子供と距離を置いてみることも必要です。
もちろん一時的にです。
また、放っておくと言ってもこれは放任ではありません。
イヤだという気持ちに共感し、気をそらすような声がけをした上で、それでもダメなら一時的に距離を置いて子供の中の嵐が過ぎ去るのをじっと待つのが良い場合もあるということです。
一時的に離れることで、あなたのいつもと違う雰囲気を感じ取り、子供の方から様子を伺ってくることもあります。
あなたと子供、お互いの熱を少し冷ますのにもちょうど良いですよ。
4.【対応4】褒める!
普段から、子供が何かできたらきちんと見て褒めるように心がけてください。
たとえイヤイヤ期の子供でも、あなたを大好きだということに変わりはありません。
大好きな親に褒めてもらえることは、子供にとっては当然嬉しいものなのです。
この時期の子供は、親に自分を見ていて欲しい、親に自分の存在を認めて欲しいという気持ちが一層強くなります。
子供が何か出来た時は、見逃さずに「よくできたね、見てたよ」と褒めましょう。
大切なのは「あなたのことをいつも見てるよ」ということを子供に伝えることです。
あなたがいつも見てくれているという気持ちが子供に伝われば、イヤイヤする場面が減ってくることもあるでしょう。
5.【対応5】叱り方に注意!
子供が困った行動をしたら感情のままに叱るのではなく、
•「ダメ」という時の基準を明確にすること
•叱る時は恐怖心を与えるような言い方をしないこと
この2点を心がけてください。
また、困った行動をした時にきちんと叱るのはもちろんですが、やっても良いことと悪いことを普段から教えておくことも必要です。
いつもなら叱られないようなことで急に叱られると子供も戸惑います。
「ダメ」の基準を明確にして、言い方に注意しましょう。
5-1.「ダメ」の基準を明確にしましょう
この時期の子供は、イヤイヤすることで親がどう出るのかをよく見ています。
自分のやることについて、どこまでがOKで、どこからがダメなのかを、親の反応を見て判断していることもあります。
このような時期の子供に対して、やることなすこと全て「ダメ!」と言ってしまうと、子供は、何が良くて何がダメなのかわからなくなってしまいます。
子供を叱るべき場面は、
①子供が危険なことをした時
→まだ子供ですから、何が危険なのかわかっていないものです。
危険な時はそのつど「ダメ!」と言って教えましょう。
子供は一度や二度注意しても身に付きません。
子供自身が「これは危険なことだからしてはいけないんだ」とわかるまで、繰り返し教えてあげ
てください
②子供が人を傷つけるようなことをした時
→人を傷つけるようなことは絶対にしてはならないことをきちんと教えましょう。
身体的にはもちろん、人の心を傷つけるような言動はやめさせましょう。
③子供が人に迷惑をかけた時
→順番を守る、病院などで大声を出さないなど、社会的なルールはそのつど教えていきましょう。
この3つです。
特に、「命に関わる危険なこと」はその場ですぐに叱り、やめさせましょう。
5-2.叱る時の言葉に気をつける
子供を叱る時は、その場の感情に任せて叱るのではなく、言葉に気をつけましょう。
例えば、
•「ママはもう知らない!勝手にして!」
→相手はついこの前まで赤ちゃんだった幼い子供です。
このような突き放す言い方は、子供が悲しい気持ちになり、不安にもなるのでやめましょう
•「ご飯抜きだよ!」
•「うちの子じゃない!」
→この2つは、そんなつもりはなくても、つい言ってしまそうになる言葉ですよね。
一時的には言うことを聞くかもしれませんが、子供にとっては恐ろしいことなので、納得できな
いまま言いなりにさせられます。
これでは、親への信頼がなくなってしまいますので、このような言い方はしないで欲しいです。
•「いいかげんにしなさい!」
→これは、はっきり言って子供には伝わりません。
子供がイヤイヤばかりする時、つい「いいかげんにしなさい!!」と言って叱ってしまうことは
多いかもしれません。
しかし、子供にとっては「いい加減」がどのくらいの加減なのか、わからないものです。
子供が混乱し、ますますイヤイヤしてしまうこともありますので言わないようにしましょう。
6.【対応6】子供に選ばせる
子供に「○○と□□と△△、どれにしようか?他にもあるよ」といくつか選択肢を与えて選ばせてあげましょう。
この時期の子供は、何でも「自分でやりたい!」「自分で決めたい!」という気持ちがとても強いものです。
だったら、「選ばせてあげましょう!」というのがこの対応方法です。
毎日忙しい親にとっては大変なことですが、この時期の子供の欲求を満たしてあげるにはとても効果的です。
普段から時間に余裕を持つように心がけて、可能な限り子供に選ばせてあげられると良いです。
7.【対応7】親はゆとりを持って子供に接する
親は、「時間的にも」 「気持ち的にも」ゆとりを持って子供に接しましょう。
子供は、あなたが忙しい時に限って、イヤイヤし出したりしませんか?
子供はあなたが忙しくしている時は、自分のことを見てくれない!と感じ、不満を持つものです。
そしてイヤイヤし出すことで時間に余裕がなくなると、あなたもイライラ・・・。
これでは悪循環です。
何をするにもできる限り時間にゆとりを持つことを心がけましょう。
時間が過ぎてしまうこともあるかもしれませんが、
「少しぐらい過ぎても仕方ない」
という、気持ち的なゆとりも持って行動していけると良いです。
前述した、「子供に選ばせる」という対応方法も、親側のゆとりがないとできないことですよね。
こうしたゆとりを持つだけで、子供のイヤイヤを上手に受け止めることができるようになります。
8.「イヤイヤ期」は誰でも通る道だと理解しましょう
これは常に頭に入れておいてほしいのですが、「イヤイヤ期」という辛い時期を経験するのは、あなただけではありません。
イヤイヤ期は子育てをしている誰もが通る道で、いずれ、終わります。
ここまでイヤイヤ期の子供への対応をお話してきましたが、
「うちの子に通用するかしら・・・」
「やっても上手くいかないかも・・・」
などと考えていませんか?
そう考えるのも無理はありません。
あなたにとってイヤイヤ期の子供は、まるで怪獣のような存在になってしまうのですから。
しかし、それは皆さん同じです。
あなたの子供だけが怪獣になってしまうのではありません。
どの親も、毎日試行錯誤を繰り返しながら子供と接しています。
3歳ともなれば、言葉も大分理解できるようになり、人の気持ちを察することができるようになってきますよ。
それまでは自分を追い込まず、子供の成長を見守りましょう。
9.<まとめ>
あなたの子供に合った対応方法は見つけられたでしょうか?
子供は、あなたのことが大好きです。
大好きなあなたを困らせたい訳ではなく、いつもそばで見守っていて欲しいだけです。
子供は、赤ちゃんから一人前の人間になるために、「自分」を確立しようとして頑張っています。それが時々、上手くいかなくなることで「イヤイヤ!」が発動されるのです。
イヤイヤ期の子供に対してあなたがするべきことは、
共感することと、できないことをやってあげるのではなく、できるように手助けをすることです。
イヤイヤし出したら、「ああ、成長しようと頑張っているんだな」と、どっしり構えて子供と一緒に成長しましょう。
【参考書籍】
・佐藤眞子『新編 2才児イヤイヤ期の育て方』主婦の友社、2014
・デビッド・ボーゲニクト&ジェームズ・グレース『「イヤイヤ」ばっかり言わないで!魔の2歳を楽しく乗り切る30の方法』ダイヤモンド社、2008
・松本和之(発行人)、山口香織(編集人)『イヤイヤ期Baby-mo 2017-2018年版』主婦の友社、2017