「子供のどんなところを褒めたらいいのだろう…」「上手な褒め方ってあるのかなあ…」子育てに熱心な親御さんの中には、子供の「褒め方」が分からなくなってしまう方もいるようです。
今回は、そんな褒め方に疑問を抱く親御さんのために、「子供の褒め方」について詳しく解説していきますよ♪ぜひ目を通してみてくださいね。
―この記事はこんな人におすすめ―
この記事は「幼稚園に通う年齢以上のお子さん」をお持ちの親御さんにおすすめです。子供は幼稚園に通う年齢くらいになると、親御さんが発する言葉の多くを理解していることでしょう。そのため、親御さんも「褒める際にかける言葉」について少し考えみてください。
一方、幼稚園に通う年齢に達しておらず、まだまだ親御さんの言葉をあまり理解できていない小さなお子さんに対しては、「褒め方」についてあまり深く考えなくてOKです。親御さんが「褒めたい!」と思った時に心から褒めてあげてください。
目次
1. 良い褒め方を知る! ポイントは「努力」と「挑戦」!
では、本題に入っていきます。子供の褒め方については、「あれがいい」「これがいい」などと色々な意見があります。確かにどれもとっても魅力的なのですが、「褒め方が分からない!」という親御さんは、まずは以下の2点を心がけてみてください。
- 子供の「努力」を褒めよう
- 子供の「挑戦」を褒めよう
この2点に気をつかうだけで親御さんの「褒め方の質」は、ぐんとアップしますよ。お子さんの「やる気」を誘うこともできるでしょう♪
1-1. 良い褒め方【子供の努力を褒める】
子供が一生懸命何かをしている姿を見ると「頑張って!」と言いたくなりますよね。また、子供が何かに成功した場合は「よく頑張った!」と言いたくなるでしょう。
しかし、「頑張って!」や「頑張った!」よりも、もっと子供に響く、良い褒め方があります。それは、「よく頑張っているね」「よく頑張ったからだね」と努力を褒めてあげる方法です。努力を褒めることで、子供は「よし、もっと頑張ろう!」と自ら思うことができます。
少し分かりにくいので、例を出して説明していきますね♪
―努力の褒め方―
例:子供が頑張って勉強をしている。
△「その調子!これからも頑張って勉強をしようね」
〇「その調子!あなたは本当によく頑張っているね」
例:子供が頑張って勉強をした結果、テストで良い点数を取った。
△「とても良い点数ね!よく頑張ったわ」
〇「とても良い点数ね!あなたがとても頑張って勉強したからね」
勉強だけではありません。子供が料理を手伝ってくれているとき、子供が一生懸命絵を描いているときなどなど…。親御さんが「うちの子、頑張っているな」「頑張ったな」と感じるときはたくさんあると思います。そのとき親御さんは、子供が努力していること自体をしっかりと評価してあげてくださいね♪
1-2. 良い褒め方【子供の挑戦を褒める】
子供が何かに挑戦し、失敗してしまったときも、褒めてあげる絶好の機会です。子供の挑戦をしっかりと褒めてあげましょう。そうすることで子供は「失敗を過剰に恐れず、自ら次のステップに進んでいける人」に育ちますよ♪
―挑戦の褒め方―
例:サッカーを習っている子供。試合でシュートを決めようとしたが失敗した。
△「残念だったわね…。次、また頑張りましょう!」
〇「シュートしようとしたのね。すごく素敵なことよ。次、また頑張りましょう!」
親御さんが挑戦を褒めてあげることにより、子供はきっと前向きな気持ちになれることでしょう。また、挑戦を褒めてあげた後、子供と「次、成功するための解決策」を話せると、さらに良いですね♪
良い褒め方で、子供の「上を目指す力」をぐいぐい伸ばしてあげてください。
1-3. 「褒められること」が素直に喜べない子供もいる
「褒められることに照れくささを感じる」「褒められて嬉しい。でも、心の中で何かが引っかかる」など、褒められることへの違和感を覚えてしまう子供もいます。(思春期の子供にも多いようです。)そのような子供には、どのような褒め方が適切なのでしょうか?
おすすめなのが、言葉でなく「態度で褒めてあげる」という褒め方です。言葉のように直球で伝えるのではなく、親御さんの態度でさりげなく褒めてあげましょう。
例えば、以下のような態度で子供を褒めてあげてください。
- 子供の頭をなでてあげる
- 子供の肩をぽんぽんと叩く
- 微笑みながら頷く
お子さんにあった「親御さんが褒めるときの態度」を考え、実際にチャレンジしてみてくださいね♪
2. 親御さんの「ありがとう!」も子供のやる気を出させる
「子供のやる気を出させるためには、とにかく褒めなきゃ」そう思っている親御さんもいるのではないでしょうか?確かに、褒めることはとっても大切です。
しかし、褒める以外にも、子供のやる気をアップさせる方法が…!
それは、親御さんが子供に「感謝の言葉を言う」という方法です。
例えば子供がお手伝いをしてくれたとき、親御さんはお子さんに対し「お手伝いをしてくれてありがとう!とても嬉しいわ」と感謝の気持ちを言ってみましょう。子供は「お母さん(お父さん)が喜んでくれた!だからまたやろう」と思うことができるでしょう。
「褒めること自体が苦手…」と感じている親御さんの場合、まずは「子供に感謝すること」から始めてみてもいいかもしれませんね。親子の絆がさらに深まることでしょう♪
3. こんな褒め方はしないで…!NGな褒め方3つ
次に「これはあんまりよくない」という、NGな褒め方を3つご紹介します。
今からご紹介するNGな褒め方は、「子供が強い劣等感抱く」「子供が嘘をつく」などの原因となります。そのため、もし、あなたがNGな褒め方をしている場合は、今日からやらないように心がけてください…!
3-1. NGな褒め方【他の子と比較して褒める】
自分の子供が、周りの子よりも優れていると、親御さんはなんだか嬉しくなっちゃいますよね…?その気持ちは分かりますが、「あなたは、△△ちゃんよりも賢いのね!」などと、あからさまに他の子と比べ、子供を褒めることはやめましょう。
他の子と比較して褒めると、褒められた子供が「勝ち負けにこだわりすぎる子」になる可能性があります。勝ち負けにこだわりすぎる子は、「あの子は私よりも優れている」と感じたとき、とても深く落ち込んでしまいます。そして、強い劣等感を覚えてしまうことでしょう。
3-2. NGな褒め方【努力を褒めず、能力を褒める】
子供の努力を褒めず、能力を褒めることは、あまりおすすめできません。
例えば、「〇〇ができたのね!あなたはなんて賢い子なんでしょう」「テストの点数がこんなにいいなんて!なんて偉いの」などは、努力を褒めないで、能力を褒めています。
良い結果が出るまでの過程(努力)を褒めずに、子供の能力を褒め続けていると、何かで良い結果を残せなかった際、子供はその結果を受け入れることができなくなります。そして、子供は良くない結果だったにも関わらず、「良い結果であった」と嘘をつくようになる可能性があります。
3-3. NGな褒め方【子供を動かすために褒める】
「あなたって本当に天才!そんなあなたなら、これもできるよね?」「なんて良い子なの!そんな良い子なら、あれもやってくれるよね?」など、子供を動かすために、褒め言葉を使うことはやめましょう…。
勘の良い子供は、親御さんの下心に気付いて、なんだか嫌な気持ちになることでしょう。
また、子供を動かしたいがために褒めることを続けると、親御さんに褒められるためだけに何かをする子になってしまいます。つまり、「親御さんがいないところで、自ら動くことができない子」になる可能性が。
でも、どうしても子供に動いてほしいときってありますよね…。そんなとき、褒め言葉なしに、どのように子供に伝えればいいのでしょう。その答えはとっても簡単です♪「子供にとっての利益」を言葉にして伝えてあげればいいのです。
―子供にとっての利益を言葉にしよう―
例:子供がお片付けをなかなかしてくれない場合
△「あなたはとってもいい子。だから、お片付けくらい簡単よね」
〇「今お片付けをしたら、晩御飯の後にお片付けをしなくてもいいのよ。そしたら、晩御飯の後にテレビをゆっくり観ることだってできるわね」
褒め言葉を使いお母さん視点で子供を動かすのではなく、子供視点で考えてみてください♪子供がポジティブなイメージをできると、きっとすんなり動いてくれますよ。
4. 褒めることはどうして大切なの?
この章では、どうして子供を褒めることが大切なのかを見ていきましょう。
また、「褒めることが甘やかしに繋がり、すぐに諦める子に育ってしまうのでは?」という疑問を持っている親御さんもいると思うので、そのことについてもお話ししていきます。
4-1. 褒めることが大切なのは、子供が「自己肯定」できるようになるから
子供を日ごろから褒めてあげることで、子供は「自己肯定」ができるようになります。
自己肯定とは、「『自分なら大丈夫だ』『自分ならできる』と自分自身を受け入れ、信じられること」を指します。
自己肯定できる子供は、とても強いです。
子供が「大変だなあ…」と感じる出来事と出会ったときも、自己肯定ができると、自分自身を励まし、自信を持ってトライすることができます。
子供が様々な問題を乗り越えていくためにも、親御さんは子供をきちんと褒め、「自己肯定感」を抱けるようにしてあげましょう。
4-2. 褒めることで、すぐに諦める子に育たない?
正しい褒め方であれば、上の「4-1. 褒めることが大切なのは、子供が『自己肯定』できるようになるから」でお話しした通り、お子さんは「心の強い子」に育つでしょう。
逆に「うちの子にはとにかく厳しく!スパルタ教育で!」という家庭のお子さんの方が、心が弱い子になってしまわないかが心配です。あまりにもお子さんを褒めてあげる機会が少ないと、子供は自己肯定感を抱くことができません。これはつまり、「お子さんが何か困難な出来事に出会った時、自分を信じることができず、諦めてしまうかもしれない」ということです。
ときに厳しくすることも子育てにおいて大切なこと。しかし、褒めてあげるべき場面では、しっかり子供を褒めてあげてください。
5. こんなときはちゃんと叱りましょう
子供が以下のような行動をしたときは、きちんと叱ってください。
- 人に迷惑をかける行動をしたとき
- 自分が怪我をするような行動をしたとき
ダメなことは「ダメ」なのです。ダメなことを放っておいたり、子供に同情するのみで終わってしまうと、周りから嫌われる子に育ってしまうかもしれません。
「叱ること」は親御さんにとって、すごく体力がいることかもしれませんが、子供が将来、より快適に社会を生き抜いていくために、「やってはいけないこと」はきちんと叱りましょう。
子供の叱り方については別ページでお話ししています。本ページ下部【関連記事】にリンクを記載しておいたので、ぜひ読んでみてくださいね。
6. 本で褒め方を学ぼう
「子供の褒め方をもっと学びたい!」「子供の心についてもっと知りたい!」という親御さんに、おすすめの書籍を1冊ご紹介します。
子育て中の親御さんにぜひ読んでいただきたい本が、「児童精神科医ママの子どもの心を育てるコツBOOK(著:白尾 直子)」です。実際に読んだ私は「児童精神科医の先生が著者なだけあり、信頼度も高い。また内容もとても良い本だなあ」と感じました。
さらに、「児童精神科医ママの子どもの心を育てるコツBOOK」には、このページに記載していない子供の褒め方も載っています♪本の定価は1,400円+税。
子育て中の親御さんにとって、すごくためになる本だと思うので、ぜひ実際に手に取って読んでみてくださいね。(Amazonでも購入できます!)
7. まとめ
このページの一章にあるように、「子供の褒め方が分からないよ…」という親御さんは、まずは子供の「努力」「挑戦」を褒めることから始めてみてください♪そうすることで、子供は「自ら伸びていこうとする子」へと成長していきます。
「褒めること」は「健やかな子」を育てるために、すごく大切なことです。あなたとあなたのお子さんが、将来、楽しくニコニコと笑って過ごせるように、お子さんの褒めるべき点をできるだけ見逃さないようにしてくださいね。そうすることで、お子さんは「とっても素敵な人」に育つことでしょう♪
【関連記事】
‥9章で叱り方について触れています。
【参考書籍】
・白尾 直子『児童精神科医ママの子どもの心を育てるコツBOOK -子どもも親も笑顔が増える!』メタモル出版、2013
・波多野 ミキ『子どもが一週間で変わる親の「この一言」: 必ず、子どもが大きく伸びる言葉』三笠書房、2012
・ベン・ファーマン『フィンランド式 叱らない子育て―――自分で考える子どもになる5つのルール』ダイヤモンド社 、2013
・武田 双雲『「子どもといること」がもっと楽しくなる 怒らない子育て』主婦と生活社、2015
・親野智可等『もう叱らなくていい! 1回で子どもが変わる魔法の言葉』青春出版社、2014