勉強したことがなかなか覚えられないという子供や仕事覚えが悪いなと感じられている大人の方など、これまでに記憶力をアップさせる方法を探された経験はありませんか?
記憶力を上げる方法として、書籍やDVDなどの学習教材が世の中にたくさんあると思います。
ですが、なかなか上手く使いこなせない場合やそもそも元から頭のいい人でないとできないのではないかと思うようなものまであり、途中で挫折してしまったという方も少なくはないかもしれません。
また、子供は学校の勉強、大人は仕事などで忙しく、なかなか時間も取れないこともあり、続けようと思っていても意外に続かないものですよね。
そんな時に一番簡単な方法は、記憶力アップや物忘れの防止などに作用してくれる栄養素が含まれた食べ物を食べることです。
では、どんな食べ物があり、どういった食事方法があるかなど、記憶力をアップしてくれる食べ物について、今からお話していきましょう。
1.記憶力アップに有効な食べ物
まずは実際に、記憶力アップに効果を発揮してくれる食べ物(食材)としてどんなものがあるのか、一例をご紹介していきます。
・果物、野菜
・青魚
・ナッツ類
・飲み物、お菓子
・オイル類
などという食べ物が、記憶力アップに効果があるとされているものです。
どんな食べ物があるのか細かく見ていきましょう。
1-1.記憶力アップに有効な食べ物【果物・野菜】
体に良い栄養素が含まれているイメージが強い果実や野菜。
もちろん記憶力が関わる脳にも、重要な栄養素がたくさん含まれています。
いったいどんな食べ物があるのか、これから一例をご紹介していきます。
1-1-1.ベリー類
まず1つ目の記憶力アップに有効な食べ物が「ベリー類」です。
ベリー類を日頃からたくさん食べている人は、食べていない人に比べて脳の認知能力のレベルが高くなると言われています。
ベリー類に含まれている「フラボノイド※1」という成分が、老化による認知力の低下を防止する効果があると期待されている食べ物です。
「抗酸化物質※2」も多く含まれていて、特にブルーベリーに関しては記憶力の改善に期待ができる食べ物なんだそうです。
植物に含まれているポリフェノールの1つで、多くが強力な抗酸化作用を持っています。
※2.抗酸化物質
別名抗酸化剤とも言われ、酸化によって体内に悪影響を及ぼす有害物質を排除してくれる物質の総称です。
1-1-2.バナナ
2つ目の記憶力アップに有効な食べ物は「バナナ」です。
バナナは脳のエネルギーとなる糖質(ブドウ糖など※【2-1 ブドウ糖】を参照ください)が、豊富に含まれている食べ物です。
朝食などで食べると体のエネルギーにもなりますし、脳のエネルギー補給にもなります。
また、ビタミンB6などの栄養素も豊富な食べ物ですので、朝から脳が活性化されます。
1-1-3.ほうれん草
次の記憶力アップに有効な食べ物は「ほうれん草」です。
ほうれん草の成分がアルツハイマー病に効果があると言われています。
「ルテイン※1」が豊富に含まれており、そのルテインが脳細胞の損傷を修復し、脳の認知機能が低下するのを予防してくれます。
実際にほうれん草を積極的に摂取している人は、アルツハイマー病などによって認知機能が低下する率が低くなると言われています。
ほうれん草は熱調理に弱い食べ物で、その際に栄養素が逃げてしまうため、なるべく生の状態で食べることをおすすめします。
抗酸化物質の一種で、酸化による有害物質を排除してくれます。
1-2.記憶力アップに有効な食べ物【青魚】
次の記憶力アップに有効な食べ物は「青魚」になります。
サンマやイワシなどの青魚類は、記憶力を上げたり頭を良くしたりする食べ物として、とても有名ですよね。
「オメガ3脂肪酸※1」がアルツハイマー病を防止する働きがあり、加齢に伴って進行する記憶力の減退を防いでくれます。
青魚には、脳の発達に重要な役割を発揮するDHA・EPA(【2-2 DHA・EPA】をご参照ください)が豊富に含まれており、記憶力や思考力を向上させてくれるため、認知症に対する改善や予防にも効果を発揮します。
細胞が体内で正しく機能するために必要な不飽和脂肪酸です。
1-3.記憶力アップに有効な食べ物【ナッツ類】
ナッツ類は主な栄養素としてビタミンEが豊富に含まれており、ビタミンEには記憶力の減退や劣化を防止する作用がある食べ物です。
1-3-1.ピーナッツ
次の記憶力アップに有効な食べ物は「ピーナッツ」です。
ナッツ類に含まれる栄養素でビタミンE以外では、レシチン(【2-3 レシチン】を参照ください)が記憶力アップに効果的です。
このレシチンという栄養素は、特にピーナッツに多く含まれています。
レシチンは記憶力向上に作用する神経伝達物質であり、脳の老化防止にも役立ちます。
1-3-2.クルミ
次の記憶力アップに有効な食べ物は「クルミ」です。
クルミには脳神経への作用が大きく、記憶力や集中力を高めるのにとても効果的で、脳への血流を良くしてくれる「αリノレン酸※1」が豊富に含まれています。
αリノレン酸には、脳に効率良く酸素を送ってくれる作用があります。
さらに、クルミには「トリプトファン※2」という成分も豊富に含まれいます。
その成分を体に取り入れると、体内で神経作用をコントロールしてくれるセロトニンという物質に変換されていきます。
「セロトニン※3」は、実際に治療薬として抗うつ剤にも使用されており、ストレス状態やうつ状態などを軽減してくれる役割もあるのです。
オメガ3脂肪酸の1つで、DHA・EPAと同じような働きがあります。
※2.トリプトファン
アミノ酸の一種で、必須アミノ酸に分類されます。
※3.セロトニン
体内において重要な役割を担っている三大神経伝達物質(他はドーパミン・ノルアドレナリン)の1つになります。
1-4.記憶力アップに有効な食べ物【飲み物・お菓子】
普段何気なく口にしている飲み物やあまり栄養素のイメージがないお菓子などにも、記憶力アップに効果のある栄養素が含まれています。
食べ物というよりは、おやつとしてや水分補給という意味合いが強いでしょう。
記憶力に関わるどんな食べ物(飲み物)があるのか、これから一例をご紹介していきます。
1-4-1.お茶(緑茶)
次の記憶力アップに有効な食べ物(飲み物)は「お茶」です。
お茶(緑茶)には抗酸化物質が豊富に含まれており、脳の情報伝達をおこなってくれる細胞を活性化させ、脳内で細胞を新しくしようと促す働きがあります。
その働きによって、空間認識能力や記憶力を向上させてくれる効果が期待できます。
脳の栄養剤として、朝一番に緑茶などを飲むという習慣を作るのもおすすめです。
1-4-2.コーヒー
次の記憶力アップに有効な食べ物(飲み物)は「コーヒー」です。
コーヒーに多く含まれているカフェインには、記憶力を強化してくれる効果があると言われています。
カフェインが脳の記憶を司る部分である海馬を刺激することによって、記憶力向上に効果があるとされています。
ただし、カフェインは精神刺激薬に用いられるなど興奮作用がありますので、過剰な摂取には十分にご注意ください。
1-4-3.チョコレート
次の記憶力アップに有効な食べ物は「チョコレート」です。
チョコレートは脳への血流を増やし、脳の機能を活性化させて、加齢に伴う脳機能の衰退を遅らせる働きがあります。
その中でも「テオブロミン※1」という成分が、思考力や記憶力・集中力を高めてくれます。
チョコレートの代表的な素材といえばカカオです。
そのカカオに含まれる特有の甘い香りの成分には、緊張を和らげてくれる効果があると言われ、
脳内にある中枢神経を刺激して集中力などを高めてくれる作用があります。
何か集中したいことがある場面の直前に、チョコレートを食べておくのがおすすめです。
1日で食べるチョコレートの量は、板チョコで例えると4分の1から2分の1ぐらいが目安になります。
最近では試験前などにチョコレートを食べて、集中力をアップさせてから試験に臨む受験生も結構多いそうですよ。
この成分は自然界の中で、大半がカカオにしか含まれていないと言われている成分です。
チョコレートの苦みはこの成分によるものになります。
1-5.記憶力アップに有効な食べ物【オイル類】
次の記憶力アップに有効な食べ物は「オイル類」になります。
食べ物というよりは、調味料の1つとして摂取するものとなるでしょう。
ココナッツオイルやオリーブオイルなどのオイル類にも、記憶力アップの栄養素が含まれています。
これらのオイル類に含まれる不飽和脂肪酸が、脳に作用して記憶力アップに効果を発揮します。
ある研究によると、ココナッツオイルやオリーブオイルなどのオイル類を普段から摂取し続けている人は、摂取していない人よりも知力レベルが上がると言われています。
摂取量としては1日で大さじ2杯ぐらいが目安となり、あまり多く摂取し過ぎてしまうと、お腹がゆるくなってしまう場合もあるのでご注意ください。
2.記憶力アップに必要な栄養素
第1章にて、記憶力アップに効果のある食べ物についてご紹介してきました。
「こんな食べ物が記憶力アップに効果があるの?」と、意外な食べ物がたくさんあったのではないでしょうか。
ここからは更に細かく見ていきましょう。
記憶力を高めるために重要で、第1章でお話した食べ物の中にも含まれている代表的な栄養素をご紹介していきます。
・ブドウ糖
・DHA・EPA
・レシチン
・ホスファチジルセリン
という栄養素についてです。
2-1.記憶力アップに必要な栄養素【ブドウ糖】
「ブドウ糖」という栄養素は、脳にとっての唯一のエネルギー源となっているものです。
脳が正常に働くためには、絶対に欠かせない(欠かしては駄目と言ってもいいぐらい)栄養素となります。
ブドウ糖は主に炭水化物に含まれており、代表的な食べ物がご飯やパンです。
あなたも、お腹が空いている時や炭水化物を抜くようなダイエットをしていて、
・頭がふらふらする
・やろうしていることや考え事に集中できない
などの症状に陥ったことがあるという人もいらっしゃるかと思います。
それはブドウ糖が不足してしまうことで、思考力が下がってしまったり集中力が持続できなくなったりするなどの症状が起きてしまうからなのです。
記憶力アップの食べ物としてもそうですが、脳の栄養補給という観点からも、ブドウ糖が含まれている食べ物をおすすめします。
2-2.記憶力アップに必要な栄養素【DHA・EPA】
昔から魚は「食べると頭が良くなる食べ物」と言われていますが、これは主に青魚(サンマやイワシなど)などに含まれる「DHA・EPA」の効果によるものです。
DHAは「ドコサヘキサエン酸」、EPAは「イコサペンタエン酸」という正式名称で、脳を活性化してくれるものと言われています。
DHA・EPAは不飽和脂肪酸の中の良質な油で、脳神経にとって非常に重要な栄養素です。
しかし体内では生成できないため、食事などから摂取する必要があります。
さらに、酸化しやすいという性質があるため、野菜などの抗酸化作用が強い食べ物と一緒に食べることをおすすめします。
2-3.記憶力アップに必要な栄養素【レシチン】
今回の記憶力を良くする食べ物という部分においては、この「レシチン」という栄養素が一番重要かもしれません。
レシチンは脳内の神経伝達物質で、レシチンを含んでいる食べ物を摂取していれば、物忘れの防止や記憶力・集中力アップに非常に効果を発揮してくれます。
レシチンは特に大豆などの豆類に多く含まれています。
そのため1日の中で納豆や豆腐などの豆類を食事の時に、ナッツ類などを間食やおやつの時に食べるようにして、記憶力アップのためにレシチンを含んだ食べ物を積極的に摂取しておきましょう。
2-4.記憶力アップに必要な栄養素【ホスファチジルセリン】
レシチンと同じものにまとめられる場合が多い栄養素で、「ホスファチジルセリン」という栄養素があります。
しかし、厳密に言うとこの2つは違うものです。
2つともリン脂質の1種になりますが、レシチンはリン脂質全ての総称のことを言い、その中に含まれる1つがホスファチジルセリンとなります。
レシチン同様にホスファチジルセリンも、脳機能にとって不可欠な栄養素です。
神経細胞の代謝を活性化させて、脳へと送る神経伝達物質の働きをスムーズにすることで、認知機能の低下を防止する効果や記憶力アップにも期待ができる栄養素になります。
3.記憶力がアップする食べ物の効果を高めてくれる食事方法
ここまで記憶力を高める食べ物と、その食べ物に含まれる主な栄養素についてお話してきました。
ここからは記憶力アップのために、その食べ物などをより良く活かしていく食事方法などについてご紹介していきます。
・朝、昼、晩3食きちんと食べる
・よく噛んで食べるようにする
という点を意識するようにしてください。
3-1.「朝・昼・晩」3食きちんと食べる
今の時代、朝食を抜いたり1日2食で済ませたりするなど、なかなか1日3食きちんと食べているという方は少ないと思います。
しかし、健康管理などの面だけでなく、記憶力に関わる脳機能においても、3食きちんと食べておくのは重要です。
第2章でも紹介した脳のエネルギー源となるブドウ糖ですが、
実は・・・「一度の摂取だけでは脳への効果を長時間維持しておけません!」
そのため1日の中で、食事や間食などによって、ブドウ糖を定期的に補給しておかなければなりません。
常にブドウ糖を脳に与え続けて記憶力を高めていくためにも、必ず朝・昼・晩・の3食を食べるようにしていきましょう。
特に受験などを控えている学生さんたちは、試験当日はもちろん試験前の勉強の時からその習慣を身に付けて受験に臨むといいでしょう。
3-2.食べ物をよく噛んで食べるようにする
「あごを動かして、しっかり噛んで食べなさい」と子供のころによく言われましたが、実は脳機能にとっても大切なことなのです。
食事の時にあごの筋肉を動かしてしっかりと噛むことで、食べ物の味をより感じ取れるようになっており、それによって脳が刺激されます。
また、食べ物をしっかり噛むことは血液循環を良くし、脳機能を高めてくれます。
年齢を重ねていくにつれ、
・あごの筋肉をあまり使わなくなって、歯茎も衰える
・上手く食事をすることができなくなり、それがストレスになる
などと、あごをしっかり使えなくなれば、いろんな弊害が出てきます。
記憶力の面で考えた場合でも、脳に血流が行きづらくなって脳機能低下の原因にもなるなど、あごがしっかり使えなくなると「アルツハイマー病※1」の発症にもつながると言われています。
これらをふまえて考えても、目先の記憶力アップだけではなく、何十年後の脳機能の低下というところまで関係してきます。
記憶力を含めた脳機能にとって、日頃から食べ物をよく噛んで食べておくというのは、長い目で見ても非常に重要なのです。
「アルツハイマー型認知症」と言いわれ、脳における記憶力や思考力を司る箇所に障害が起こり、ゆっくりと症状が進行していきます。
通常の日常生活が送れなくなる可能性もある病気です。
4.食べ物と記憶力の関係性
ここからは、食べ物と記憶力の関係性についてお話していきます。
関係性を理解しておくことで、より記憶力を高めることにつなげていけるでしょう。
・記憶力と朝食
・記憶力とカロリー
などの点に、着目してみたいと思います。
4-1.記憶力と朝食
先ほどもお話した通り、記憶力と朝食の関係性はとても大切です。
朝食をしっかりと食べておけば、脳へのエネルギーを補給するとともに、その日1日の脳や体の活動が活発になって、勉強や仕事に対して好影響をもたらしてくれます。
朝の時間帯というのは1日の中で最も脳が記憶をしやすい時間帯と言われています。
この朝の時間帯に少しでも余裕ができる時間を作り、朝食後などに学習ドリルや暗記学習をおこなえば、効果的に記憶力を高められます。
朝食を食べて記憶力を高めるためにも、早起きするなど朝に余裕が持てる生活をしていけるようにしましょう。
4-2.記憶力とカロリー
過剰にカロリーを摂取することは、もちろん体によくないですが、脳にとってもあまりよくないとされています。
食べ物を食べ過ぎて、カロリーを過剰に摂取することは、記憶力に対しても悪影響をもたらしてしまいます。
ある研究では、カロリーを制限する場合としない場合で比較した時に、カロリーを制限した後のほうが1.3倍も記憶力がアップするという結果も出ています。
毎日の食事を低カロリーなものしておくのは、体脂肪などのメタボ対策だけではなく、脳機能を高めることや記憶力アップのためにも重要になるんですね。
5.<まとめ>
ここまで記憶力アップと食べ物との関係についてお話してきましたが、栄養素も難しい言葉が多いですし、食べ物もいろいろと種類があって、一気にすべてを取り入れてみようというのは大変だと思います。
そのため、まず自分にはどの食べ物や食事法が合うのか試してみて、合うものを少しずつ探していくようにしましょう。
また、受験生の子供たちなどは勉強に行き詰ることもあるでしょうし、ただ勉強するだけで記憶力をアップさせようとしては、精神的にもつらくなるばかりだと思います。
記憶力をアップさせるという目的とともに、自分へのお守り代わりとして、こういった食べ物を取り入れるのも効果的な記憶力アップ対策だと思いますよ。