赤ちゃんの肌はとっても繊細。そんな繊細な肌を守ろうと、頑張っている親御さんはたくさんいると思います。
そこで今回は、親御さんにぜひ知っていただきたい「赤ちゃんの乾燥肌」についてまとめてみました。
「お家でできる赤ちゃんの乾燥肌予防法(=肌を綺麗に保つための方法)」だけでなく、「乾燥してしまう原因」「お医者さんに行く場合」などについてもお話しします。
ぜひ、参考にしてくださいね♪
―この記事を読む前に:親御さんだけで無理をしないで―
親御さんにとって「赤ちゃんの乾燥肌」はとても気がかりなこと。「どうにかしないと」と親御さんが、赤ちゃんの肌状態を良くしようと努力することは素敵だと思います。
ただし、ときにはお医者さんを頼ることも大切なのです。
もしかすると、お子さんは「ただの乾燥肌」ではなく、何らか病気にかかっている可能性もあります。お医者さんによる適切な処置を受けて、一刻も早く、お子さんの肌を綺麗な状態にしてあげたいところですね。
目次
1. お家でできる赤ちゃんの乾燥肌予防法を知ろう!
まずは「お家でできる赤ちゃんの乾燥肌予防法」について見ていきましょう。
乾燥肌予防において、とくに意識していただきたいのは「入浴」「保湿」「紫外線対策」の3つです。それぞれを分けてお話ししていきます。
もし「うちでは行っていない」というものがあれば、ぜひ実践してみてくださいね。
1-1. お家でできる赤ちゃんの乾燥肌予防法|入浴編
肌に残った汚れは、肌荒れを起こし、肌がカサついてしまう原因となります。入浴の際に、赤ちゃんの肌についた汚れはきちんと落としてあげましょう♪
正しい入浴方法を記載しましたので、ぜひ行ってみてくださいね。
―正しい入浴方法―
(1)お湯の温度は38℃~39℃が好ましいです。
(2)頭(髪の毛・頭皮)を洗ってあげましょう。頭は皮脂の分泌量が多いので、ベビーヘアシャンプーを使うのがオススメ。シャンプーの泡と指の腹を使い、洗ってあげてくださいね。
(3)シャンプーが髪の毛・頭皮に残らないよう、シャワーできちんと洗い流します。
(4)顔・体用ベビーソープを使い、赤ちゃんの顔と体を洗いましょう。ソープの泡を手にとって、肌を傷つけないよう優しく洗います。
(「ガーゼを使って洗う」という方もいますが、ガーゼは赤ちゃんの肌に刺激を与えてしまいます)
(6)ベビーソープをシャワーで丁寧に洗い流します。
(7)入浴後は、タオルで赤ちゃんを拭いてあげます。その際、タオルでゴシゴシと拭くのではなく、ポンポンと押し付けるようにしましょう。
入浴後は肌の保湿が必須です。保湿については、次の章(保湿編)に記載してあるので、そちらをご覧ください。
また、入浴の際に使用する、顔・体用ベビーソープとヘアシャンプーは「肌と同じ弱酸性・低刺激・無香料・無着色」のものにしましょう。さらに、泡で出てくるタイプであれば、泡立てる手間もいらず、楽ちんです。
1-2. お家でできる赤ちゃんの乾燥肌予防法|保湿編
赤ちゃんの肌を乾燥から守るためには、入浴後の保湿が欠かせません。入浴後、なるべく早く、全身の保湿をしてあげましょう。
保湿剤(乳液やクリーム)を選ぶときは「赤ちゃんの肌にも使える」というだけでなく、「水分と油分がきちんと含まれているかどうか」もチェックしましょう。
なぜ、水分と油分の両方が必要なのかというと、水分だけでは肌に塗った後の蒸発が気になりますし、油分だけでは肌に潤いを与えることができないから。水分と油分を両方含んでいると、油分でフタをすることができ、水分も肌の外に逃げ出しにくいです。
また、入浴後以外だと、お顔や体の汚れを拭き取った後も、保湿をしてあげるべきです。そう考えると、お使いの保湿剤を小さな容器に入れ、外出時も持ち歩いた方がいいですね♪
―ベビーソープ・シャンプー・保湿剤は、どこのものがオススメ?―
参考までに、どこのメーカーのベビーソープ・ヘアシャンプー・保湿剤がオススメなのかをお話しします。
ベビーソープ・ヘアシャンプー・保湿剤は、「ナチュラルサイエンス ママ&キッズベビー」シリーズのものが良いようです。
この記事の筆者が参考にした本「これが最新 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本(著:杉山 剛)」「【完全ガイドシリーズ151】 ベビー用品完全ガイド(編集:LDK)」の2冊で、ママ&キッズベビーの製品が紹介されていました。
「絶対コレがいい!」というわけではありませんが、一度チェックしてみるのもいいですね♪
1-3. お家でできる赤ちゃんの乾燥肌予防法|紫外線対策編
赤ちゃんの肌を綺麗な状態でキープするため、お出かけ時には紫外線対策が欠かせません。
帽子をかぶせ、長袖を着せてあげましょう。ベビーカーに赤ちゃんを乗せるときは、シェードを使うことをオススメします。また、日焼け止めを塗ることも忘れないでくださいね♪
日焼け止めを選ぶ際は「SPF10~20・石鹸で落とせる・ベビー用」を基準にしましょう。
―赤ちゃんの伸びた爪に要注意!―
赤ちゃんの爪が伸びていると、赤ちゃんが自分自身の体をかいたときに、ケガをしてしまう危険性が…! 爪が伸びてきたら、きちんと切ってあげてくださいね。
2. 赤ちゃんの肌が乾燥してしまう原因って?
次は「赤ちゃんの肌が乾燥してしまう原因」について見ていきましょう。乾燥肌の原因として挙げられるものを3つご紹介していきますね。
(以下でご紹介している原因は「例」です。病気で乾燥肌になることもありますので「乾燥の原因についてなるべく詳しく知りたい!」という場合は、お医者さんに尋ねてみることをオススメします)
2-1. 赤ちゃんの肌が乾燥してしまう原因|大人と比べて皮膚が薄い
赤ちゃんが乾燥肌になってしまう一つの原因は「大人と比べて皮膚が薄いため」と考えられます。
私たち人間の皮膚は、表面から表皮→真皮→皮下脂肪という構造になっています。さらに表皮の外側には、角層があり、この角層が「肌のバリア機能」において大切な役割を担っています。ちなみにバリア機能が整っている肌は、水分を逃しにくく、外部刺激も受けにくいです。
言葉だけでは分かりづらいと思うので、イラストをご用意しました♪ 構造のイメージは以下のような感じです。
赤ちゃんの皮膚の構造は、大人と変わりません。しかし、まだまだ細胞が小さく、皮膚が薄いです。さらに、肌のバリア機能も整っていません。そのため、肌から水分が逃げやすく、外部から刺激を受けやすいです。
(ちなみに、生まれて2~3ヶ月の赤ちゃんの場合、お母さんからもらったホルモンのおかげで、皮脂が多く分泌されます。しかし、2~3ヶ月以降は皮脂の分泌量が減り、赤ちゃんの乾燥肌がより気になるようになります)
2-2. 赤ちゃんの肌が乾燥してしまう原因|お部屋の湿度が低い
お部屋の湿度が低いと、赤ちゃんの肌が乾燥してしまうことがあります。「湿度なんて、普段あまり気にしない…」という親御さんは、ぜひお部屋の湿度をチェックしてみましょう!
赤ちゃんにとって快適な湿度は「50%~60%」と言われています。お部屋の湿度が低い場合は、加湿器をつけて、快適な湿度に近づけるようにしましょう♪
(湿度が高すぎるのもNGです。湿度が高すぎると、カビやダニが繁殖してしまうことも。お部屋の湿度が高い場合は、エアコンの除湿機能で調整するといいですよ)
2-3. 赤ちゃんの肌が乾燥してしまう原因|化学繊維が使われたお洋服で乾燥肌が悪化
赤ちゃんが着ているお洋服についても考えてみましょう。
赤ちゃんが着ているお洋服に、化学繊維(ポリエステル・ポリウレタン・ナイロン・レーヨン・アクリル)が使われていませんか? 化学繊維が乾燥している肌に刺激を与え、乾燥肌悪化や痒みを引き起こすことがあります。
また、天然繊維であるウールにも注意してください。肌がチクチクしてしまうことがあります。そのため、乾燥肌の赤ちゃんには向いていません。
乾燥肌の赤ちゃんに着せてあげたいのは、肌に優しい「綿」でできたお洋服。とくに、肌に直接触れるお洋服は、できるだけ「綿100%」のものを選んであげましょう。
3. 赤ちゃんの乾燥肌で病院に行く場合
「乾燥肌くらいでお医者さんに連れていってもいいのかな」と親御さんは思うかもしれませんが、その心配はいりません。乾燥肌でお医者さんに連れて行っても大丈夫です。
しかし、お医者さんに行く場合は、皮膚科or小児科のどちらに行くべきなのでしょうか?
皮膚科か小児科か、色々な意見がありますが、まずは親御さんが連れて行きやすい方を選ぶとよいでしょう。ひとまずお医者さんに連れて行き、お子さんの状態を診てもらってくださいね。
ちなみにお医者さんでは、ヒルドイド・プロペトなど、保湿をするための塗り薬を処方されることがあります。また、症状がひどい場合は、弱めのステロイド剤であるロコイド・キンダベート・アルメタが処方されることも。
ステロイド剤については副作用が気になる方も多いと思います。「早くよくなってほしいから!」と躍起になってベタベタ塗るのではなく、用法用量をきちんと守るようにしましょう。
4. 本当にただの乾燥肌? 赤ちゃんがアトピー性皮膚炎を患っている可能性は?
赤ちゃんはただの乾燥肌でなく、アトピー性皮膚炎である可能性もあります。そのため、この章からは「アトピー性皮膚炎」についてお話ししていきます。
4-1. アトピー性皮膚炎ってどんな病気なの?
「アトピー性皮膚炎」というと比較的よく耳にする病名ですが、一体どんな病気なのでしょうか? 「あまり知らない」という方もいると思うので、どんな病気なのか、念のためお話ししておきますね。
アレルギーは花粉・特定の食べ物・動物の毛などの「アレルゲン」を、免疫細胞が攻撃してしまうことで起こります。アレルギー性結膜炎・アレルギー性花粉症・食物アレルギー・気管支喘息といった症状が出る人もいれば、アトピー性皮膚炎として出る人も。
そして、アトピー性皮膚炎を引き起こす要因はアレルゲンだけではありません。アレルゲンと「乾燥した肌」「肌のかゆみ」が重なって、アトピー性皮膚炎が出てきてしまうそうです。
また、アトピー性皮膚炎を改善するためには「アレルゲンの排除」「丁寧なスキンケア」「薬」が必要となります。
子供が「アトピー性皮膚炎かも」と思ったら、病院へ行くようにしましょう。お医者さんから適切な指示を受け、確実に改善していけるといいですね。
4-2. アトピー性皮膚炎にはどんな特徴があるの?
アトピー性皮膚炎にはどんな特徴があるのでしょうか? アトピー性皮膚炎の特徴を知ることで「うちの子、ただの乾燥肌じゃないかも」と疑いを持つことができるかもしれません。
アトピー性皮膚炎には、以下のような特徴があります。
―アトピー性皮膚炎の特徴―
・肌に湿疹が現れ、痒がる。(湿疹の状態は様々です。例えば、赤いものだったり、カサついているものがあります)
・良い状態と悪い状態を、慢性的に繰り返す。
・赤ちゃんの場合は、頭・顔・首に出ることが多く、悪化すると胸・背中・手・足にも出る。
以上の特徴がありますが、正直なところ、お医者さんでもない限り「アトピー性皮膚炎だ!」と決めつけてしまうのは危険でしょう。「病院にはなるべく行きたくない…」という方の気持ちも分かりますが、ここはお子さんのために、少しだけ頑張ってみてくださいね。
5. まとめ
以上、赤ちゃんの乾燥肌について詳しくお話ししました。
赤ちゃんの肌状態が悪いと、親御さんはやっぱり心配になってしまいますよね…。そんなときは、この記事でご紹介した「入浴」「保湿」「紫外線対策」をぜひ行ってみてください。
そしてときにはお医者さんを頼ってもいいのです。お医者さんと話して、適切な指示をもらえると、親御さんも安心できることでしょう♪
「お家でできる乾燥肌予防をする」+「ときにはお医者さんを頼る」で、お子さんの肌状態を改善していってくださいね。
【参考書籍】
・LDK『【完全ガイドシリーズ151】 ベビー用品完全ガイド (100%ムックシリーズ)』晋遊舎、2016
・友利 新『子どもの肌の一生を決める 0歳からのスキンケア』イースト・プレス、2017
・杉山 剛『これが最新 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本 (主婦の友生活シリーズ)』主婦の友社、2016