子供の卒園が近づくと、小学校の入学準備が忙しくなってきますよね。
ランドセル、文房具、うわばき、体操着など、準備するものはたくさんありますし、お金もかかります。
その中で、高額の学習机を入学に合わせて買うべきかどうか、買うとしたらどのような学習机がいいのか、悩んでいませんか?
学習机は大きいですから、どこに置くのか問題になりますし、
「使わないうちに物置になりそう」
「学習机がなくても勉強できるのでは?」
など、買うと決めた人も心の中ではスッキリしない気持ちがあると思います。
しかし、モヤモヤした気持ちを抱えたままでは「家庭に合う良い学習机」を選べません!
今回は、「学習机を後悔しない買い物にするためのポイント」と「学習机の選び方のポイント」、天板サイズやデスクタイプなど、学習机を買うときに考慮しておきたいポイントについてご紹介していきます。
目次
1.【学習机の選び方・Point1】学習机をどこに置くのか決めておく
実際に学習机を購入しに行く前に、あなたのお家の中のどこに学習机を置いて勉強するのか、事前に置く場所を決めておきましょう。
あらかじめ置く場所を決めておくことで、サイズやデザインを考慮しておけます。
例えば、子供部屋に置くのならば、子供が使うベッド付きのものや大きい収納が付いているものでも構いませんが、リビングに置くのであれば、浅い奥行のものやシンプルなデザインのものがいいですよね。
このように、机選びにおいて置く場所は大事なポイントになりますから、どこに置くのか、どのくらいのスペースなら置けるのかを決めておきましょう。
2.【学習机の選び方・Point2】長く使えるシンプルなデザインを選ぶ
学習机の選び方として、使う場所を選ばないシンプルなデザインを選ぶといいでしょう。
成長してからも飽きることなく使い続けていけます。
しかし、シンプルなデザインといっても、収納がないものがいいというわけではありません。
机の上が散らかってしまうと勉強に集中できなくなってしまうため、学習用品が収納できるかどうかは大切です。
片づける習慣を身につけて、学習机の上は常にきれいにするようにしましょう。
3.【学習机の選び方・Point3】高さ調節ができるものを選ぶ
学習机の選び方として、成長に合わせて高さ調節できるものを選びましょう。
高さを調節できれば正しい姿勢で勉強ができます。
気に入った学習机が高さを調整できないものならば、学習椅子は必ず高さを調節できるものを選んでください。
椅子の選ぶポイントは7章で紹介していますので、参考にしてください。
4.【学習机の選び方・Point4】天板は無垢材のものを選ぶ
学習机といえば、木でできたものが多いですよね。
木には温かみがあり、リラックス効果がありますから、学習する場所として最適です。
しかし、木にはいろいろな種類があり、それぞれに特徴があります。
加工の方法によって質感や耐久性、味わいに違いが出てきますから、大人になるまで使えるものを選ぶには、木について知っておきましょう。
学習机を選ぶ時によく目にする「無垢材(むくざい)」や「突板(つきいた)」とは、木の種類のことではなく、構造を指します。
実用性では、どちらの構造でも大きな違いはないとされますが、長く使うのであれば、無垢材をおすすめします。
無垢材は高級感がありますし、長く使えば使うほど、木ならではの風合いが増すため変化を楽しめます。
4-1.無垢材と突板について
無垢材とは、本来は「1本の木から使用する形状で切り出した木材、つまり天然のままの木のこと」です。
ですが、学習机の天板など大きなものに使われる無垢材の多くは、正しくは「巾ハギ材(はばはぎざい)」や「集成材(しゅうせいざい)」と呼ばれるものです。
ほとんどの無垢材の学習机は、机の変形を抑えるために、いくつかの木材を接ぎ合わせたものを使っています。
突板とは、「木を薄くスライスした板のこと」ですが、学習机の天板では「合板に突板を接着剤で貼ったもの」を突板と呼んでいます。
無垢材ほどではありませんが、木ならではの高級感や肌触りを十分に楽しめます。
4-2.無垢材のメリットとデメリット
無垢材のメリット
- 高級感がある
- 木ならではの温かみや優しさがある
- 角を加工して丸みを帯びたデザインにできる
無垢材のデメリット
- 価格が高い
- 重厚で重い
- 木が反る、割れる、波打つ可能性がある
4-3.突板のメリットとデメリット
突板のメリット
- 価格が安い
- 無垢材と比べると軽いものが多い
- 木が反る、割れる、波打つ心配がない
突板のデメリット
- 角ばり、丸みのないデザインが多い
- 高級感は無垢材の方が上
4-4.木の特徴
無垢材と突板について説明してきましたが、「木そのものの特徴」も知りたいですよね。
学習机に使わる代表的な木とその特徴を簡単に紹介します。
5.【学習机の選び方・Point5】天板のサイズを考える
実際に学習机を選ぶ際、大きさを考えなくてはいけませんよね。
現代の住宅事情を考えるとコンパクトなものを選びたいところですが、「子供の学習環境を整える」というのを忘れてはいけません。
子供が集中して勉強するためには、思い立った時に参考書やマーカーを手に取れる環境づくりが必要です。
以下は学習机に、ノートや教科書、参考を広げたときの広さの目安です。
上図から、学習机の幅は最低120cm以上、奥行は70cm以上のサイズが望ましいといえます。
幅が120cm以上あれば、参考書やマーカーをすぐに手に取れますし、親や友達、家庭教師と並んで座れるため、勉強がはかどっていくでしょう。
置く場所によっては大きい机を購入できない、普段はコンパクトなもので十分という家庭は、受験勉強を見据えて、組み換えデスクや広さ調節デスクを候補いれてみてください。
組み換えデスク、広さ調節デスクについては次章で紹介します。
6.【学習机の選び方・Point6】学習机のタイプを選ぶ
「学習机の選び方のポイント」をおさえ、「天板の大きさ」について考えたら、いよいよ学習机選びです。
学習机にはさまざま形がありますから、どのような学習机のタイプがあるのかご紹介します。
6-1.平机
棚がついていないシンプルな机です。
天板を広く使いたい人やリビングに置きたい人におすすめです。
必要に応じて上棚やデスクライトを購入したい人は、デザインやコンセントの有無をチェックして買いましょう。
6-2.上棚付きデスク
本棚を置くスペースがない人におすすめです。
しかし、上棚がある分天板のスペースが狭くなるため、教材が増えたり、受験勉強を始めたりすると狭く感じます。
選ぶ際に取り外しができるかどうかを確認するといいでしょう。
<ロータイプ>
ハイタイプに比べると圧迫感がないため、場所を選ばずに置けます。
<ハイタイプ>
ロータイプよりも収納力はありますが、背が高くなる分、部屋が狭く感じてしまいます。
ロータイプとハイタイプで悩んでいる人は棚を上下に分割できるのものを探すといいでしょう。
一番上の棚を取り外すとロータイプになるものがあります。
6-3.組み換えデスク、ユニットデスク
机、本棚などのデスク周りを自由に組み換えられます。
子供の成長や間取りに合わせてレイアウトを変えられるため、汎用性が高いです。
6-4.高さ調節デスク、天板昇降デスク
子供が正しい姿勢で学習できるように、成長に合わせて高さを調節できるタイプです。
下図は、机の脚の部分で高さを調節ができるタイプの例ですが、天板の取り付け位置で高さを調節できるタイプもあります。
6-5.広さ調節デスク
デスクの棚の部分を組み換えて、天板の広さを調節できるタイプです。
「子供が小さいうちはリビングに置くからコンパクトにして、子供が成長して子供部屋を作ったら勉強しやすいように天板を広げたい」など、“机の広さは欲しいけど、臨機応変に対応したい”というあなたにおすすめです。
下図は、取り付け位置を変えて広さを調節するタイプの例ですが、棚の向きを変えたり、付属の袖机の天板高さを調節し、机の横に置いて広くしたりするタイプもあります。
6-6.ライティングデスク
天板の部分が折りたためるタイプです。
学習机を置くスペースがない家庭におすすめです。
また、片づけなければ折りたためないため、整理整頓を身につける手助けをしてくれます。
しかしながら、構造上、影ができやすく学習環境の観点からはおすすめできません。
6-7.ベッド付きデスク
部屋全体で考えると省スペースであり、子供部屋に向いています。
しかし、ベッドで影ができやすいためデスクライトを買うなどの対策が必要です。
6-8.ツインデスク
双子や兄弟、姉妹がいる家庭におすすめです。
子供たちが並んで勉強できますし、デザインを合わせておけば、部屋に統一感が生まれます。
メーカーによっては、間にある棚の位置を変えて、デスクを対面式や単独式にできます(下図は並列式)。
7.【学習机の選び方・Point7】セットで買うと便利なアイテム
学習机を選んだら、
・椅子
・デスクライト
・デスクマット
など、セットでの購入をおすすめします。
7-1.椅子
椅子が回転したり、足がぶらぶらしていると、子供が集中して勉強ができませんし、姿勢も悪くなってしまいます。
椅子選びは学習机を選ぶのと同じくらい重要ですから、成長に合わせて長く使えるものを選びましょう。
椅子選びのポイントは、
- 背もたれと座面は、クッション性があるものを選ぶ
- 回転しないものを選ぶ
- 高さ調節ができるものを選ぶ
- 足は床もしくは足置きにつくものを選ぶ
また、良い姿勢をとるためのポイントとして、天板とヘソの位置が同じ高さになるように椅子の高さを調整しましょう。
7-2.デスクライト
子供が勉強するときに、天板に影ができるようであれば、デスクライトの購入をおすすめします。
なぜなら手元に影ができると、ノートやプリントをよく見ようとして前傾姿勢になり、さらに影が濃くなり見づらくなりますし、姿勢が悪いとすぐに疲れてしまうからです。
子供が快適に勉強できるように、天板全体をムラなく照らせるライトを選びましょう。
以下は、デスクライトを選ぶ際のポイントです。
- 多段階調光や、無制限調光機能をもつ機種を選ぶ
- 室内照明と色温度を合わせるために調色機能があるものを選ぶ
- 広範囲を照らせるように、長さや柔軟性のあるアームを選ぶ
7-3.デスクマット
机に傷や汚れが付くと、子供が勉強するときに気が散る要因になりますから、デスクマットの購入をおすすめします。
そして、買うのなら木目を楽しむことができる透明のものや、光の反射が少ない素材のものを買うといいでしょう。
以下はデスクマットのメリットとデメリットです。
デスクマットのメリット
- 机を傷や汚れから守れる
- 宿題のプリントなどをやるとき、下敷きが不要
- 時間割やメモを挟んでおける
デスクマットのデメリット
- 柄ものやキャラクターものを使うと子供の集中力が低下する
- プリントがデスクマットにうつる
- 光の反射が気になる
8.学習机が必要な理由
学習机が必要な理由は3つあります。
それは、
①学習意欲の向上
②正しい姿勢で学習をおこなう
③整理整頓が覚えられる
の3つです。
8-1.<学習机が必要な理由>子供の学習意欲を向上させるため
“初めての自分だけの空間”というだけで、子供のやる気は満々です!
それに加え、家族で過ごすテーブルと勉強する机を分けてあげると、気持ちを「勉強モード」に切り替えやすいというのが学習意欲の向上につながります。
学習机によって、子供に勉強をしたいと思わせる環境作りをしてあげるのは、とても大切です。
ただし、必ず学習机で勉強させてくださいというわけではありません。
子供にとって一番良いのは、「自分が一番勉強しやすい場所でおこなう」ということです。
リビングテーブルで勉強する、ダイニングテーブルで勉強するなど、あなたの子供にとってその場所が一番勉強しやすい場所なのであれば、そこが一番の学習環境となるでしょう。
学習机を子供部屋だけに置くのではなく、リビングなどに学習机を置くという選択肢があってもいいかもしれませんね。
8-2.<学習机が必要な理由>正しい姿勢で勉強ができる
悪い姿勢で勉強すると、疲れやすく、集中力が持続しないため、学力低下につながります。
さらには「骨格形成への影響」や「視力の低下」など、子供の成長に大きくかかわるため、「正しい姿勢」をキープできる環境づくりをしなければなりません。
学習机は、子供が最適な姿勢で学べるように作られているため、成長に合わせて高さ調整ができるものや、デスクライト用のコンセントがついているものなどがあります。
これが学習机とその他の机との大きな違いといえるでしょう。
正しい姿勢で勉強するには、
- 椅子と天板の下に、太ももを自由に動かせるだけの余裕がある
- ひざの裏側と座面先端部との間にすき間がある
- ひじの位置は、天板の先端の高さとほぼ同じ位置にする
- 肩甲骨と腰の間あたりに背もたれが当たるようにして背中を支える
- 背もたれと座面の間にすき間を作る(背中は背もたれにつけて、腰の部分に空間を作るよう座る)
- 足は、床か足置きにつけておく
などの点に気をつけて、座るようにしてください。
座る力を身につける最適な時期は、小学校入学前から3年生、4年生くらい(10歳)までです。
本格的に受験勉強が始まる前に、座る力を身につけましょう。
8-3.<学習机が必要な理由>整理整頓が覚えられる
今までは「おもちゃを元の場所へ戻す」だけで十分でしたが、小学生になると学用品や習い事の道具などがどんどん増えていくため「整理整頓」を覚えなければいけません。
整理とは、必要なものと不要なものを分ける、整頓とは、正しい場所に片付け整えるというものです。
子供のうちに整理整頓を覚えるには、学習机があると良いといわれています。
なぜなら、「自分の場所なのだから、きちんと片づけましょう」など、ルールを決めやすいからです。
“自分の場所”なので責任感が生まれますし、整理整頓を覚えると、物を大切にできる子供に育っていけるでしょう。
9.<まとめ>
学習机の選び方で大切なのは、“後悔しない買い物にする”、そして“長く使えるものを選ぶ”という点です。
学習机は子供の成長を支えるものですが、場所をとる大きなものですから、あなたの家庭の生活そのものに関わってくるというのを忘れないでください。
選ぶ際には、先を見据えつつ、家庭に合う運命の1台を、子供と一緒に選んでくださいね。
子供にとっても、親にとっても嬉しい買い物にしましょう!!