大人の悩みだと思われている便秘の症状ですが、実は多くの子供が便秘の症状に悩まされているという事実を、あなたは知っていましたか?
もしあなたの子供が自分の目の前でひどい便秘に悩んでいたら、すぐにでもスッキリさせてあげたいと思い、下剤などを使って対処するかもしれません。
しかし、子供のうちから便秘だからと下剤(薬)に頼りすぎてしまうと、下剤に頼るクセがついてしまい、自然な排便活動ができなくなり、かえって便秘を悪化させる原因にもなります。
本来子供は腸が正常に活動していると、1日に1~3回は排便をします。
(今回の記事でお話する子供とは、0歳~13歳未満の子供になります)
しかし、現代の子供たちの多くが・・・
・1日に1回排便するかしないかという便秘状態
・毎日排便することができない便秘状態
(1日に1回でも排便できている日が1週間に7日未満のことが多い)
という状況になっており、実際に「子供の便秘」が深刻な問題になってきているのです。
私は「子供の便秘」を、子供の身体の不調と心の不調を映した「鏡」だと考えます。
・学校で排便することへの恐怖心などによるストレス
・不規則な生活習慣や栄養バランスの偏りなどによる自律神経の乱れ
といった子供の身体と心の不調が、便秘という症状によって表面に映し出されているのです。
子供の便秘が大人になってまで続いてしまうと、病気などを引き起こす身体への影響はもちろんのこと、仕事などの社会生活でも悪影響を受けることもあります。
子供の将来を考えても、下剤に頼らない方法で便秘を解消させてあげてください。
今回は「子供の便秘を下剤に頼らず解消させてあげる方法」や「子供が便秘になってしまう3大原因」など、子供の便秘問題についてご紹介していきたいと思います。
目次
1.あなたの子供が便秘状態かをチェックする
まずは、
・現状子供が便秘の状態なのかをチェックすること
・子供の便秘について知っておくこと
から始めましょう。
1-1.子供が便秘かどうかをチェックする
まずはあなたの子供が便秘の状態なのかを、下記の子供の便秘チェックシートで確認してみてください。
1つでも当てはまることがあれば、あなたの子供は便秘である可能性が高いです。
□ 毎日排便がない
□ 常に硬い便が出る
□ 便の量が少ない(どんぐり状のものが2~3個程度)
□ おならがくさい
□ 強くいきんでいるのに便が出ない
□ 排便後にお尻(肛門)が切れて血が出ることがある
□ 便意を感じないことが多い
□ 排便後でもお腹がスッキリしないことが多い
□ 便に血液が付着してることがある
1-2.子供の便秘タイプを知る
子供の便秘には2つのタイプがあり、あなたの子供がどの便秘タイプなのかを知って、それぞれの症状に合わせて子供の便秘を解消させてあげましょう。
下記の「Aタイプ」「Bタイプ」の各項目の当てはまることにチェックをしていき、チェックの多かったほうのタイプが、あなたの子供の便秘タイプになります。
両方とも同じチェック数になったら、それは「Aタイプ」と「Bタイプ」の【複合型】の便秘タイプになるので、どちらも確認しておいてください。
□ 排便時にお尻(肛門)に痛みを感じることが多い
□ 排便時に血が出る
□ 自宅以外で排便を我慢してしまうことが多い
(排便をしたくなっても自宅以外のトイレを使用しない)
□ 排便が週に2回以下しか出ない
□ 排便後でもうんちが残っている感覚がよくある
(残便感がある)
□ お風呂はシャワーだけですませることが多い
□ 平均睡眠時間が6時間以下
□ 排尿(おしっこ)を含め、1日のトイレに行く回数が6回以下
□ 何かで失敗するとすぐにくよくよしてしまう
□ 便秘になりやすいが下痢にもなりやすい
1-2-1.「Aタイプの便秘」はうんちを押し出す力が弱い【直腸肛門型】
便秘になっている子供のほとんどが、この「直腸肛門型」です。
子供は直腸や肛門のセンサー(排便をしたいと感じること)が発達途中であるため、腸内にうんちがたまっていても(便秘になっていても)気づきにくくなります。
また、子供は排便時に使う筋肉(腹筋や肛門括約筋など)もまだまだ十分に発達していないため、うんちを外へ押し出す力が弱いのも一因です。
1-2-2.「Bタイプの便秘」は腸が繊細で敏感な【ストレス型】
Bタイプは名前のとおりストレスが原因で起こる便秘のため、子供だけでなく大人も便秘の原因になりやすいタイプです。
理由は、ストレスによって、自律神経である「交感神経」と「副交感神経」のバランスが崩れてしまうからと言われています。
特に、副交感神経が正常に働かないと「腸内から便を肛門まで運びなさい」という脳からの指令が、うまく伝わらなくなるため、便秘になりやすいのです。
※便秘と自律神経との関係について詳しく知りたい方は、第4章にて説明しておりますので、そちらをご参照ください。
1-3.こんな便秘状態が続いていたら子供を早めに病院へ
子供が下記のような便秘状態であった時は、すぐにでも病院へ連れて行ってあげてください。
・3日連続で排便がない(うんちが出ていない)
・激しい腹痛を訴えるが、しばらくすると何事もなかったかのように落ち着く
・肛門から血が出たり血のまじった便が出たりする
・吐き気を感じている
・突然激しく泣くことがある(特に赤ちゃんに多い症状)
・顔色が悪い
このような便秘症状がある時は、子供を早めに病院へ受診させてあげてください。
特に2歳前後の子供の場合に、便秘ではなく「腸重積」という病気の可能性もあります。
この病気も早めの治療が必要になってくるため、先ほどの症状が出ていたら早めに子供を病院へ受診させてあげましょう。
何らかの原因で腸同士が重なり合い、血流が悪くなって腹痛や出血を起こす病気。
気づかずに放置してしまうと、血液が流れ込まなくなった部分の組織が壊死してしまうため、できるだけ早めの治療が必要です。
2.子供の便秘を下剤(薬)に頼らず解消する方法
すぐにでも子供の便秘を治してあげたいと思っているかもしれませんが、病院に行っても治療で重度な便秘状態を解消できるだけで、完全に便秘が治せるわけではありません。
子供の便秘の症状を根本的に解消するには・・・
・子供を便秘になりやすい生活習慣から便秘になりにくい生活習慣に変えてあげる
・便秘に効果のある子供への解消方法(マッサージなど)をおこなってあげる
など、日々の生活の中で、少しずつ子供の便秘を解消してあげましょう。
ただし、まずはあなたの子供にとって、どんな解消方法をおこなったほうがいいのかについて、お医者さんに相談をしてから便秘を解消していくことをおすすめします。
2-1.子供を便秘になりにくい生活習慣に変えていく
子供の便秘を解消してあげるためには、
・規則正しい生活
・栄養バランスの良い食事
などといった日頃の生活習慣を正しいものに変えてあげることが、最も必要なことになってきます。
2-1-1.学校でトイレをしなくてもいいように「必ず朝食を食べる」
子供が便秘になってしまう原因の1つに「学校でトイレ(うんち)をするのが怖い」というのがあります。
(※詳しくは第3章にてお話します)
この原因の一番手っ取り早い解決策は「学校でトイレ(うんち)をしない」ということで、そのためには「毎朝必ず朝食を食べて、自宅でトイレ(うんち)を済ませてしまう」ことです。
朝食を食べずに朝から自宅で排便を済ませないでいると、午前の学校での授業中に便意を感じてトイレに行きたくなりやすいです。
そうなると、授業中にトイレへ行くことになって、授業内容を聞き逃してしまったり、クラスのお友達から好奇の目にさらされたりすることもあるでしょう。
それが原因で、排便を我慢してしまい、子供が便秘になってしまうケースはとても多いです。
人間は朝に食事をとることで腸が活発に働くとされており、便が一番出やすい環境にあると言われています。
・朝食をとって体内に食べ物が入ることにより、腸が活発に動き出す
↓
・それによって昨日に食べて消化された便を、ポンプの要領で直腸まで押していく
↓
・押されてきた便が直腸まで到達することで便意を感じ、排便ができる
とは言え親としては、子供に毎朝欠かさず朝食を食べさせるのは大変ですよね。
そんな時は、トースト1枚やバナナ1本など、たくさん食べさせる必要はありませんので、なるべく子供に習慣付けるというのを意識させてください。
朝食を食べておくのは便秘解消のためだけでなく、午前中の授業でしっかりと集中して勉強するために、朝から脳に栄養を与えてあげる役目もあります。
もちろん朝食だけでなく、必ず1日3食バランス良く食べることも大切ですよ。
2-1-2.朝からトイレをする時間を作るために「早寝早起きをする」
先ほどの「必ず朝食を食べる」のところに関連しますが、必ず朝食を毎朝とって、子供が学校へ行く前にトイレ(うんち)を自宅で済ませておくには、
・早起きをして、余裕を持ってトイレができる時間を確保する
・朝早起きをするためには、前日の夜に早寝をしておく
という「早寝早起き」をしておくことが、朝食をとることとセットになってきます。
また、夜ふかしも厳禁です。
夜ふかしをすることで・・・
・朝に来るはずの正常な排便リズムのピークがずれてしまう
(学校へ行く前の朝にピークが来ずに、授業中などの昼間に排便が来てしまう)
・腸の動きを活発にしてくれる副交感神経の働きが夜中の0時ごろピークになる
(0時ごろにリラックスして寝ておくことで、副交感神経の働きがより発揮される)
などの理由から、朝の快便のためにも夜ふかしはやめましょう。
2-1-3.朝からのトイレのために「夕食は寝る3時間前までに済ませる」
朝からのトイレのために早寝をするには、夕食は寝る3時間前までに済ませることが必要です。
その理由には「モチリン」というホルモンの分泌が関わってきます。
この「モチリン」は、体内の消化酵素や消化管ホルモンの分泌を刺激して、消化管をキレイにする働きがあります。
「モチリン」は空腹時に分泌されやすく、胃の中が空になって十二指腸から分泌されるため、寝ようとする3時間前に夕食をとり、就寝時には空腹状態にしておく必要があります。
また、就寝直前に食事をしてしまうと内臓の温度が上昇してしまい、寝つきが悪くなり、せっかく早寝をしようと思っていても、なかなか寝つけなくなってしまいます。
(快適に眠るためには、内臓の温度が低くなることが重要なため)
2-1-4.うんちが出なくても「とにかく朝からトイレに座る習慣が大切」
便秘の子供がどんなに「必ず朝ご飯を食べる」「早寝早起きをして朝からトイレをする時間を作る」ことを実行しても、最初のうちはすぐにうんちが出ないかもしれません。
そんな時でもまずは・・・
【うんちが出なくてもいいので、子供にはとにかく朝からトイレに座る習慣を身につけさせる】というのが、便秘解消のためには大切です。
たとえうんちが出なくても、朝から15分ぐらいを目安にゆっくりとトイレに座っておきましょう。
トイレに座っている間に、歯を磨くなどの座っていてもできる身支度をしておけば、少しでも朝の準備時間の短縮になりますよ。
2-1-5.2種類の食物繊維をバランスよく食べ分けて快便を目指す
子供だけでなく大人の便秘対策でも用いられることの多い「食物繊維」ですが、ただ単に食べるだけではなく「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」という2種類の食物繊維を食べ分けて、子供の便秘を解消していきます。
*【不溶性食物繊維】
水を吸って何十倍にも膨らむ性質がある食物繊維です。
この「不溶性食物繊維」が、体内で膨らむことで便の量を増させて、大腸の働きを活発にしてくれます。
<不溶性食物繊維が豊富な食材>
・インゲン豆、えんどう豆、大豆などの豆類
・ライ麦、小麦、オートミールなどの穀物類
・ごぼう、ブロッコリー、切り干し大根などの野菜
・里芋、さつま芋などの芋類
*【水溶性食物繊維】
水に溶けて、ぬるぬるとしたゲル状になる性質がある食物繊維です。
この「水溶性食物繊維」が、体内で溶けることにより、胃の中の食べ物を包み込んで滑りやすくすることで、消化・吸収を手助けしてくれます。
また、腸内環境を良くしてくれる善玉菌を増やす効果もあるそうです。
<水溶性食物繊維が豊富な食材>
・バナナ、リンゴ、柑橘類などの果物
・寒天、昆布、わかめなどの海藻類
・しいたけ、まつたけ、えのきだけなどのきのこ類
不溶性食物繊維ばかりを摂っていると、便の量は増えますが固まって硬くなってしまい、お腹が張って苦しくなるため、便秘には逆効果になる可能性があります。
そのため、水溶性食物繊維をバランスよく摂ることで、ゲル状で滑りやすくする効果を使って、便秘で溜まった便をスムーズに直腸まで運んでくれます。
2-1-6.オリゴ糖を摂取して腸内の善玉菌を増やす
「オリゴ糖」は、腸内環境を整えてくれる善玉菌(ビフィズス菌)を増やしてくれ、便秘状態を解消してくれる効果があります。
あなたもオリゴ糖というと甘味料を連想するかもしれませんが、実は様々な食品や食材に含まれています。
・牛乳、母乳などに含まれる【乳糖】
・はちみつ、お味噌、しょう油などに含まれる【イソマルトオリゴ糖】
・ヤーコン、玉ネギ、バナナなどに含まれる【フラクトオリゴ糖】
・ビート、キャベツ、アスパラガス、粉ミルクなどに含まれる【ラフィノース】
・ヨーグルトに含まれる【乳果オリゴ糖】
などの食品からまんべんなく摂取するのが望ましいですが、最近ではサプリメントとしてオリゴ糖を摂取することもできますので、そういったもので手軽に取り入れて、子供の便秘を解消してあげてくださいね。
2-2.子供の便秘を解消させてあげる方法(マッサージなど)
便秘状態になっている子供に対しておこなうマッサージや、便秘状態の子供自身でやってみる便秘解消の体操をご紹介していきます。
マッサージに関しては、お風呂に入っている時にやるとより効果的です。
お風呂に入って水の中にいることでお腹に水圧がかかり、子供の腸内を刺激してくれます。
そのタイミングでマッサージをすることで、便秘状態の子供の排便を促してあげることができます。
※マッサージや体操の最中に、子供によってはやりながらお漏らしをしてしまう子供もいますので、注意しておきましょう。
2-2-1.【便秘解消マッサージ】「の」の字マッサージ
腸の流れにそって、便秘がちな子供の便意を促すマッサージです。
①子供を仰向けにして、両手を子供のおヘソの辺りにのせます
↓
②その位置からひらがなの「の」の字を描くように両手を動かしてマッサージします
(この動きを2~3分ぐらいかけてゆっくりマッサージしてあげましょう)
※注意点
・子供のお腹をあまり強く押さえつけないように、そっと触れるぐらいにしてあげてください
・やっていくうちに、子供が気持ちいいと思う力加減を見付けてあげてください
2-2-2.【便秘解消マッサージ】リズムマッサージ
「カエルのうた」などの童謡のリズムに合わせて、楽しくおこなう便秘解消マッサージです。
①子供を仰向けに寝かせて、足首とひざの間を手で持ちます
↓
②両ヒザの間にこぶし1つ分のすき間を空けて、腸を刺激するように両ヒザを曲げ伸ばし(屈伸運動)をしていきます
↓
③この①と②の動作を童謡のリズムに合わせて5回繰り返していきます
※注意点
・子供のお尻が地面から上がらないように気をつけましょう
・子供の関節が痛まないように、あまり強く(激しく)動かしすぎないようにする
2-2-3.【便秘解消マッサージ】アシカブリッジ
子供自身でおこなう、便秘がちな腸を伸ばしてあげる体操です。
①うつ伏せに寝て、手のひらを床について腕を伸ばし、上体をそらせるようにして起こします
↓
②ヒザから下の脚をお尻の方へ上げます
(体をUの字に曲げるようなイメージです)
↓
③その姿勢を、深呼吸をしながら30秒ほどキープします
※注意点
・腰を無理にそらさないように注意させてあげてください
2-2-4.【便秘解消マッサージ】ぐるぐるメリーゴーランド
子供自身でおこなう、体(腰)をひねる効果で便秘状態のうんちが出る体操です。
①脚を肩幅に開いて立ちます
↓
②腰をひねって上半身を左右に回します
(左右をセットで10回繰り返します)
※注意点
・激しくひねって腰を痛めないように、ゆっくりと腰をひねりましょう
・ひねる時に周囲のものに腕がぶつからないように気をつける
2-3.緊急時の便秘状態以外はなるべく下剤に頼らない
どんなに子供の便秘がひどくても、緊急時以外はなるべく下剤には頼らないようにしてください。
頼りすぎてしまうと、便秘の時に下剤がないと排便ができない体になってしまい、自然な排便活動ができなくなる恐れがあるからです。
・下剤を飲んで出すという習慣が子供に身についてしまい、自然な排便ができなくなる
(子供の排便力が弱くなり、逆に便秘を悪化させてしまう可能性がある)
・「出なければ薬を飲めばいい」と安易な考えを持ってしまい、重度の下剤依存症になることもある
などと、毎日のように下剤を常用してしまうと危険です。
子供の便秘が3日以上続いてうんちが全然出ていない(排便できていない)など、緊急で便秘を解消したい場合以外は、下剤に頼らないようにしましょう。
また、下剤を使用する場合は、まず病院へ行き診察を受けるまたは薬局の薬剤師さんに相談をするなどして、子供の体に合わせた正しい分量を守って服用するようにしてください。
オリーブオイルの摂取をおすすめします。
目安は1日に15~30mlが理想的で、炒め物の油として使ったりパンにつけて食べたりするなどして、気軽に取り入れてみてください。
3.子供が便秘になる3大原因【1・トイレ(排便)に対する恐怖心】
子供が便秘になる3大原因の1つが、子供の「トイレ(排便)に対する恐怖心」です
小学生や中学生の子供に多いのが「学校のトイレでうんちをしたくない(できない)」という心理的な要因です。
・友達に知られたくない
・排便(うんち)していることが恥ずかしい
・からかわれるのが怖い
・学校のトイレは汚い感じがするのでしたくない
など、学校でのトイレに対する恐怖心が、子供の便秘の引き金となります。
また、それ以外にも・・・
・排便をする時に肛門が切れるように痛いので怖い
・長時間痛みに耐えながらトイレに座っているのが怖い
などと、トイレで排便するという行為そのものに、子供がトラウマ(恐怖心)を感じてしまっているというのも、便秘になる要因と言われています。
3-1.自分が優位な立場になりたいので人は排便をバカにしてしまう
なぜ排便することをバカにしてしまうのか。
それは子供に限らず・・・
「多くの人間は自分より下の人間を作り、自分が優位な立場になりたいものであるため」
だからです。
特に子供たちは・・・
・子供たちの中で排便をすることが、恥ずかしいことや汚いことという認識がある
・特に子供が思春期のころは、排便などの生理現象はデリケートな問題で基本的に秘密にしたいため
などと、子供たちの中で排便をするという行為は、とてもマイナスなイメージです。
人間は自分よりも、
・マイナスな部分
・劣る部分
がある人間を自然とバカにし、格下にランク付けをしてしまうものです。
そのため、学校で排便することを周りの友達にバレないように我慢してしまうことで、便秘になってしまう子供たちが増えてしまっています。
3-2.子供たちのうんち(排便)に対する概念を変えていくしかない
子供たちのうんちに対するマイナス概念を変えていくには、
「うんちが汚いもの、臭いものというマイナスイメージを子供から捨てさせる」
ことしかありません。
そのためには・・・
・うんちをすることは人間が生きていくうえでとても重要な行為である
(呼吸や睡眠と同じように、人間が生きていくうえで欠かせないものである)
・男も女も、大人も子供も、誰しもが必ずしていて、なくてはならないことである
などと、子供たちを「うんちをすることは人間にとって当り前のことなんだ」という肯定的な認識に変えてあげるために、親や学校の先生が「うんちの大切さ」について教えていくしかないです。
4.子供が便秘になる3大原因【2・生活習慣の乱れ】
子供が便秘になる3大原因の1つが、子供の「生活習慣の乱れ」です。
現代の子供たちは、睡眠不足などの生活習慣が乱れがちです。
その影響によりいろいろな体の不調を起きますが、子供の便秘にもつながってしまいます。
特に、生活習慣が乱れることによって子供の便秘に密接に関わってくるのが、
【交感神経】と【副交感神経】
になります。
4-1.腸は「第2の脳」である
腸は脳から独立して排便に関わる流れを、内臓の各部位に対して指示(サイン)を出していることから「第2の脳」とも言われています。
そのため生活習慣が乱れてストレスを感じることにより、激しい腹痛や便秘状態になってしまうなど、腸内に不調をきたしてしまうのです。
4-2.交感神経と副交感神経のバランスが大切
生活習慣が不規則になることにより、体内の自律神経が乱れてしまいます。
自律神経とは、胃腸を動かす、呼吸をするなど、人間が無意識におこなっている行動を司る神経のことです。
その中でも「交感神経」と「副交感神経」が不調をきたすことが、子供だけでなく大人も含めて便秘になりやすい原因になります。
【交感神経】は、体を活動させるための神経で、昼間になると活発になる
【副交感神経】は、体をリラックスモードにする神経で、夜になると活発になる
この2つの神経のバランスが大切で、不規則な生活が続くとこの2つの自律神経が乱れてしまいます。
特に、副交感神経は「腸内から便を肛門まで運びなさい」という指令を出してくれる神経なので、この神経が乱れてくると、子供も大人も便秘になる原因につながります。
5.子供が便秘になる3大原因【3・食生活の変化・栄養の偏り】
子供が便秘になる3大原因の1つが、子供の「食生活の変化・栄養の偏り」です。
第2章でもお話していましたが、子供が便秘にならないために腸内環境を整えるには「食物繊維」が重要です。
また、1日3食(朝・昼・晩)食べるという規則正しい食生活を送ることも、腸内環境を整えるうえで重要となってきます。
しかし、現代の子供たちは食生活の変化や栄養バランスの偏りにより、なかなか摂取することができていません。
・野菜不足で食物繊維を摂取する機会が減っている
・食の欧米化が進み肉食中心の食事になっている
・お菓子ばかりを食べてしまい、偏った栄養バランスになっている
・朝食を抜く、夜遅くに食べるなど規則正しい食生活がおくれていない
というふうに、現代の食生活環境を正すことはなかなか困難なことかもしれません。
ですが、子供の便秘解消のためにも、少しずつでもいいのでゆっくりと改善できるところからやってみてくださいね。
6.便秘の影響で将来いろいろなチャンスを逃すかもしれない
子供の便秘が続いてしまうと、子供が将来大人になった時に悪影響をもたらすことが出てきます。
それによって、将来いろんなチャンスを逃す場面が出てくることもあります。
・将来の仕事に対する影響
・将来の病気や体の不調に対する影響
などのことが、子供の時からの便秘によって、影響を受けるかもしれません。
6-1.将来の仕事に対する影響
子供が将来大人になった時に、便秘が原因で急な腹痛などを起こしてしまい、仕事に関するいろんなチャンスを逃すかもしれません。
あらゆる場面で便秘による急な腹痛を起こしてしまうと・・・
・出勤中に急な腹痛が起こって、よく会社を遅刻してしまう
・仕事中に急な腹痛が起こって、席を外すことが多く、早退してしまうこともある
・大事な会議中に急な腹痛が起こって、途中で席を外すことで信用を失うかもしれない
などと、あらゆる場面で便秘による不調を起こしてしまうことで、なまけた人間やだらしない人間と、周りの人たちからマイナスな評価を受けてしまうかもしれません。
6-2.将来の病気や体の不調に対する影響
たかが便秘だと思うかもしれませんが、便秘が悪化してしまうと、お尻から自然な排便では出せなくなり、手術によって直接腸から便を取り出すという事態になります。
過去には、実際に便秘で溜まった便を、手術によって取り出した時の重さが2~3kgだったこともあるそうです。
(重さだけでなく、コンクリートのように固まった便が取り出されます)
また、便秘が原因で大腸がんを発症してしまう危険性まであるのです。
(大腸がんの発症の原因については諸説あり、便秘だけが原因ではありません)
便秘が続くことで体の不調は出てきます。
・腸内に溜まって腐った便からガスが発生することにより、口臭が臭くなる
・固まって重たくなった便が溜まり続けることにより、腰痛を引き起こす
・便秘によって発生したガスが血液に混ざることで、肌荒れや肩こりを引き起こす
など、便秘は体にとって悪影響であることは間違いありません。
7.<まとめ>
今回の「子供の便秘」に関する記事を見て、少しは子供の便秘に関心を持ってもらえたでしょうか?
まずは親であるあなたが、子供の便秘に関心を持ち、子供の排便状況に気づいてあげられることが大切です。
ただし、関心を持ちすぎて、親が子供へ排便を強制させるようにしてしまうと、
・必ず毎日うんちを出さないといけないという義務感
・毎日排便をしないと親に怒られてしまうという恐怖心
などの感情を持たせてしまうことになり、かえってそれがストレスで子供の便秘を悪化させてしまうかもしれません。
そうならないためにも、なるべく親が優しく寄り添ってあげて、焦らずゆっくりでいいので、子供の便秘を解消させてあげてくださいね。
【参考書籍】
・小林弘幸『おかあさんと一緒になおす こどもの便秘』幻冬舎、2013
・松生恒夫『腸育をはじめよう! 子どもの便秘を放置したらダメ!』講談社、2013