おむつなし育児|トイレトレーニングの手間とサヨナラしよう!

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おむつなし 育児 アイキャッチ

おむつなし育児とは、おしっこやうんちをしたいという赤ちゃんのサインをキャッチして、なるべくおむつの外(おまるやトイレなど)で排泄させてあげる育児方法のことです。

 

おむつなし育児をした子は、平均月齢21.1ヶ月で自分でトイレに行くことができるようになったという研究結果があります。
これは現在の日本の平均月齢40ヶ月に比べると、かなり早いといえるでしょう。

その分、おむつ代が減ったり、手間がかからなくなるというメリットがあります。

まったくおむつをしないわけではなく、おしっこやうんちをする時だけおむつを外してあげるので、それ以外はパンツやおむつをはいて過ごします。

新生児の頃から行い、ハイハイや歩けるようになると、おしっこやうんちをしたくなった時に自分でトイレに行くようになります。

 

一方、よく比較されるトイレトレーニングとは、生まれてからずっとおむつで過ごしてきた赤ちゃんにトイレで用を足すことを教えることです。
最近では、膀胱の機能が十分に発達して、ちゃんと話ができる3歳前後に行うことが多いです。

 

おむつなし育児のメリットはたくさんあります。
あなたと赤ちゃんの絆が強くなることを感じることができるなど、コミュニケーションが増えて愛情が深まります。

しかし、あなたにとっておむつなし育児の最も大きなメリットは、トイレトレーニングで多くの人が感じる「あせり」や「プレッシャー」がないということではないでしょうか。

あなたは両親や親せき、知り合いの人から「昔は1歳くらいでおむつは外れていた」という話を聞いてドキッとした経験はありませんか?
最近では「おむつハラスメント」という言葉ができるほど、おむつ外れについて多くの親がプレッシャーを感じて悩んでいます

70年ほど前まではおむつなし育児が普通に行われていました。その通りのやり方では今の時代に合わずにやりづらいと思うので、現代版にアレンジされたおむつなし育児をご紹介します。

 

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1.おむつなし育児の考え方

おむつなし育児とは、赤ちゃんがおむつ以外のところで排泄するようにしてあげる育児方法です。

赤ちゃんの様子を観察すると、赤ちゃんによってさまざまですが、新生児期からおしっこやうんちをしたくなった時は以下のように何かしらの変化があります

・もぞもぞと動く
・泣く
・声を出す

そのサインに気づいたら、おまるやトイレに連れて行ってあげます。
汚れたおむつをつけっぱなしにしないので、赤ちゃんもこの排泄方法が気持ちよく、したくなったら積極的にあなたに教えてくれるようになります。
これをくり返すうちに、赤ちゃんがハイハイや歩いて移動できるようになると、自分でトイレに行って用を足すようになります。

 

人間は生まれた時にはすでに排泄に関する感覚を持っています

しかし、大人の都合でおむつをさせることによってその感覚がなくなっていき、「おしっこやうんちはおむつの中でするんだ」と学んでしまうのです。
その結果、2~3歳頃に「トイレトレーニング」という、おむつを外すためにトイレで排泄をする練習をして、「おしっこやうんちはトイレでするんだ」ということを学び直さなければなりません。

おむつなし育児は最初から排泄の感覚を失わないようにしているので、おむつで育った子よりも早くトイレでできるようになると言われています。

 

おむつをしている子は平均40ヶ月、おむつなし育児の子は平均21.1ヶ月でトイレが完了するといわれていますが、これはおむつの出費をおさえることにもつながります。

紙おむつを使ったとして、月平均4000円のおむつ代がかかっているとすると、単純計算で

4,000円×(40ヶ月-21.1ヶ月)=75,600

となり、合計で約75,600円の節約になります。

月々4,000円あれば、おしゃれなお店でランチができたり、マッサージに行って日々の疲れを癒すということもできます。
1年分の48,000円あれば、旅行に行くこともできますね。
そう考えるとなかなか大きな額です。

表

1-1.現代版おむつなし育児の方法

おむつなし育児はいつでも始められますが、おむつに慣れてしまう前の月齢が低い方がいいといわれています。

抱っこして排泄させやすい、首がすわる生後3ヶ月頃が始めやすいです。

遅くとも1歳半頃までに始めた方が、トイレ完了までがスムーズです。

1-1-1.【おむつなし育児:Step.1】赤ちゃんからの排泄のサインを観察する

まずは赤ちゃんの様子を観察します
どんな時におしっこやうんちをしたいのか、したくなったらどんなしぐさをするのか、赤ちゃんの排泄のタイミングや様子を見てみましょう。

最初は気づきにくいかもしれませんが、赤ちゃんは次のような時に排泄することが多いです。

・朝、またはお昼寝から起きた時
・授乳直前、授乳中、授乳直後
・離乳食中、食後
・おむつを外した時
・おんぶや抱っこから降りた時
・外出する前や帰った直後
・お風呂の前やあがった直後
・寝る前

また、おしっこやうんちをしたい時、赤ちゃんは次のようなしぐさをすることがあります。

・つばをぶーぶー出す
・モゾモゾと動く
・足をバタバタさせる
・泣く
・しゃべっていたのに、突然だまる
・表情が固まる
・授乳中に乳首をくわえたり離したりする
・おならをする
・おんぶや抱っこをしている時にのけぞる

赤ちゃんによってタイミングやしぐさは違いますが、観察しているとその子のパターンがわかるようになってきます

1-1-2.【おむつなし育児:Step 2】おむつ以外で排泄させてみる

タイミングがわかってきたら、その時におまるをあてたり、抱っこしてトイレなどでさせてみます。

小さいうちは洗面所やお風呂場など、場所はどこでもかまいません
おむつ以外の場所でさせることが重要です。

おしっこの時は「シーシー」、うんちの時は「ウーン」などの声掛けをして、排泄を促す合図をしてあげてください。
続けるうちに、あなたの「シーシー」の言葉で出るようになってきます。

慣れるまでは、「出たらラッキー」くらいの気持ちでいましょう。
出なくても気にせず、くり返すのが大事です。

1-1-3.【おむつなし育児:Step 3】おむつを外してみる

1日のうち、2~3時間ほどおむつを外してみます

何もつけなくてもいいし、普通の綿パンツをはかせてもいいです。
季節によっては風邪をひかさないように、腹巻やレッグウォーマーなどを使います。

これまで赤ちゃんの排泄のタイミングがわからなかった人でも、おむつを外しておもらしさせることでわかる場合があります。

床を汚されては困る場合は、防水シーツやタオルなどをひいておき、すぐに掃除できるように濡れたぞうきんを準備しておきます。

1-1-4.【おむつなし育児:Step 4】おむつを外す時間を長くする

おまるやトイレなど、おむつ以外の場所でできるようになったら、おむつを外す時間を増やします
できたと思ったら失敗をくり返すこともありますが、負担に感じない程度におむつを上手に使いつつ、おむつなしの生活を進めます。

ハイハイや歩いたりして移動できるようになり、自分でおまるやトイレの場所まで行けるようになったらおむつなし育児の卒業です。

旅行や外出時は・・・
プラスチック製の箱(キッチンで使うような保存容器)などを持参し、おまるの代わりに使います。
負担になるようだったら、この間はおむつで過ごしてもかまいません。

1-2.メリット

現代版おむつなし育児をすると、おむつをしている場合と比べて以下のようなメリットがあります。
おむつ外れが早いということ以外にも、赤ちゃんとの関係性でメリットを感じられます

・おむつ外れに関するあせりやプレッシャーがない
・おむつ外れが早いので、おむつ代やおしりふき代が減る
・紙おむつのゴミが少なくなり、布おむつの洗濯が減る
・赤ちゃんの肌トラブルが少ない
・赤ちゃんの排泄の感覚がわかると、赤ちゃんと意思疎通ができていると感じる
・赤ちゃんの様子をよく見るようになり、排泄以外のことも気づきやすい
・おむつで排泄する時よりも、一度にすっきり出るので回数が少なくなる

他にも、実践した人の個人的な感想ですが、いつも赤ちゃんのごきげんがよいという話があります。

1-3.デメリット

現代版おむつなし育児にはデメリットもあります。
慣れてしまうと気にならないかもしれませんが、おむつをずっとつけている場合と比べて、手間と時間がかかります。

・慣れるまでは、いつも子供の様子を見ていないといけない
排泄後の処理や床掃除の手間がかかる
・イヤイヤ期など、うまくできない時期がある
・紙おむつが普及した今では、まだ認知度が低い育児方法なので周囲の理解が得られにくい
・個人差があるので、必ずおむつ外れが早いというわけではない
・保育園などに通うと、他の人の協力が必要だったりできない時間がある

1-4.おむつなし育児に必要な物

おむつなし育児を始めるにあたり、必要な物を以下に挙げます。
買ってそろえるのもいいですが、ほぼ家にある物で代用が可能なのですぐに始めることができます。

 

おまる
部屋に置いておけば、赤ちゃんがおしっこしそうな時にすぐに排泄させてあげることができます。
プラスチック製の箱(キッチンで使うような保存容器など)でも代用できます。
これらの物を使わずに、最初からトイレに連れて行ってあげることも可能です。

 

布おむつ
紙おむつでも可能です。
布おむつの方が濡れた感覚がわかるので、赤ちゃんからサインを出しやすくなります。

 

防水シーツ
おむつを外している時に、汚されたくない所に敷きます。

 

また割れズボン
ズボンのまたの部分に穴が開いているので、排泄する時に服を脱がせる手間がありません。
排泄のサインを見逃して汚れるのが気になる場合は、この上からおむつをあててあげます。

 

2.数値で見るトイレトレーニングの現状

トイレトレーニングは、おむつでのおしっこやうんちに慣れてしまった赤ちゃんをトイレでするように教え直すことです。

特に高性能の紙おむつで育った赤ちゃんは、1枚のおむつに何回かおしっこをしてから取り替えてもらったりしているので、排泄に関する感覚が衰えています。

赤ちゃんが2~3年かけて体で覚えてしまったことをリセットさせようとするので、簡単にはいかないことも多いのです。

2-1.トイレトレーニング前の不安

インターネットのアンケートでトイレトレーニングをする前の母親にアンケートをとったところ、トイレトレーニングに対して不安を感じている人は約70%にのぼりました。

その理由として「方法がよくわからない」が19%、「いつスタートすればいいか」が17.2%など、未経験であることからトイレトレーニング自体が不安という意見が多くあります。

 

円グラフ1                         <出典:ベビータウン>

 

また、最近では実際にトイレトレーニングを始めた時期について「2歳半~3歳未満」が32.3%、「2歳~2歳半」が30.7%と、合わせて2歳~3歳の間に始めた人が6割以上です。
これは、最近の育児情報では「3歳までにおむつ外れを」という内容のものが多かったり、幼稚園に入園する前におむつを外したいという傾向があることが影響しています。

 

2歳以上というと、一般的に新生児からの急激な成長が一度落ち着き、生活リズムが整った頃です。
そんな時にトイレトレーニングという未知なる壁に、わが子と一緒に挑まなければいけません。

さらに、2歳に多いイヤイヤ期が始まって心の成長に悩まされれば、「わざわざ今トイレトレーニングしなくても・・・」という気分になり、実際にトイレトレーニングを始める時期がどんどん遅くなってしまうのです。

2-2.トイレトレーニング中の不安

おむつ外れが遅いことに対して、多くの親が心理的プレッシャーを感じています。

総合マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した調査結果によると、トイレトレーニングを経験した母親の約70%がおむつがなかなか外れないことについて「あせりを感じる」と回答しました。

 

円グラフ2

 

その理由として、「他の子よりもおむつ外しが遅れるから」と答えたのが67.1%と最も多く、まわりと比較して遅いことにあせりを感じやすい結果が出ました。

さらに、注目すべきは「近親者からの指摘やプレッシャーがあるから」が35.7%「配偶者からの指摘やプレッシャーがあるから」が11.4%と、まわりから「早く外した方がいい」というプレッシャーを受けていることです。
両親や義両親から、「昔は1歳くらいでおむつは外れていた。」という話を聞くだけでも、親はプレッシャーを感じてしまうのです。

 

棒グラフ1
<出典:ネオマーケティング>

2-3.トイレトレーニングの理想と現実

「いくつぐらいまでにおむつが外れてほしいですか?」という質問に対して、「3歳まで」が44%、「2歳6ヶ月まで」が20.6%、「2歳まで」が17.4%と、3歳以前を目標にしている人が82%でした。

これに対し、実際におむつが外れた年齢をたずねると、3歳を超えて外れたと回答した人が53.2%と半数以上いました。

トイレトレーニング前にはできれば早めに外したいと思いながらも、実際にはおむつ外れが理想よりも遅くなってしまっている傾向があります。

 

トイレトレーニングをした期間についてたずねると、「1ヶ月~3ヶ月未満」が最も多く36.0%で、「3ヶ月以上~6ヶ月未満」が32.0%、「6ヶ月以上~1年未満」が5.0%、「1年以上」が10.0%と、3ヶ月以上かかった人が47.0%と半数近くにのぼりました。

できるだけ短い期間で終わらせたいトイレトレーニングですが、長い時間かかってしまう可能性があることもわかります。

 

それなら、早く外してしまえばいいと思いますが、おむつ外れに対して最近の育児情報誌やウェブサイトでは「無理しない」や「あせらない」の言葉が多く見られます。
「子供の排泄機能が発達すれば、自分でトイレに行くようになる」や「4歳までに外れていれば大丈夫」という説が近年有力になり、おむつ外れが遅くなっているのです。

 

棒グラフ2

棒グラフ3<出典:ベビータウン>

 

3.おむつなし育児とトイレトレーニングの比較

一言でいえば、おむつなし育児は赤ちゃん優先、トイレトレーニングは大人優先の選択です。

おむつなし育児ある程度の手間と時間をかけて赤ちゃんの排泄の感覚を優先します。
一方、トイレトレーニングはおむつでの生活を優先することで、大人のライフスタイルに合わせて生活できます。

 

表1

 

それぞれの家庭によってどちらが合うかは違うと思います。
トイレトレーニングという大きな壁を経験するよりは、生活の中で赤ちゃんの排泄の感覚を優先してトイレを覚えさせる方が自然なことで、あなたも赤ちゃんも大きなストレスを抱えるかもしれない不安を抱く必要がなくなります。

 

4.海外でのおむつなし育児

赤ちゃんのおむつ外れは日本だけの話ではありません。

海外でもおむつなし育児と同じような方法で育児が行われています。

4-1.東南アジアやアフリカでは当たり前

アフリカや東南アジアでは、多くの国でおむつなし育児と同じ方法が、生活の中で取り入れられています。

考えてみてください。
紙おむつが普及していない国や、水資源が乏しくて布おむつをたくさん洗濯できない国の赤ちゃんは、おしっこやうんちをする時はどうしているのでしょう。
おむつがいらなくて、しかも早く排泄を自立させたいというニーズに、このおむつなし育児が合っているのです。

 

もっとも、この方法が普及している国々ではおまるのような物は使いません。
赤ちゃんはスリングのような布に巻かれて、お母さんとぴったりと肌を合わせて生活しています。
お母さんは赤ちゃんの微妙な変化をすぐに感じて「おしっこしたそうだな」と感じたら、すぐに抱っこの姿勢を変えて自分の肌から離して排泄させます。

4-2.アメリカで高まる認知度

アメリカではおむつなし育児のことを「Diaper Free(おむつなし)」や「Elimination Communication(排泄コミュニケーション)」、または略して「EC」といいます。

アメリカでは日本ほどおむつ外れに熱心ではなく、実際におむつが外れる年齢も日本より少し高くなってきています。
早く外さなくてはいけないという考えもなく、おむつが外れていないからといって干渉する国民性ではないことも原因だと考えられています。

 

しかし、おむつ代が1枚30円前後(日本では1枚16~20円前後)と割高なことや環境問題に敏感な人が多いせいか、紙おむつの消費が少なくてすむECに興味を持つ人が増えています

 

5.<まとめ>

トイレトレーニングは、あなたにとってもお子さんにとっても成長の過程における大きな試練になります。

意外とスムーズにおむつが外れる場合もありますが、もしかすると1年以上の長い期間をトイレトレーニングに費やす可能性もあります。

その際の精神的な負担も相当なものです。

それよりも日常の中で自然におむつ外れができるおむつなし育児を取り入れて、あなたと赤ちゃんの生活を豊かなものにしてくださいね。

 

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【参考書籍】

・三砂 ちづる『五感を育てるおむつなし育児―赤ちゃんからはじめるトイレトレーニング』主婦の友社、2013

・クリスティン・グロスロー『おむつなし育児―あなたにもできる赤ちゃんとのナチュラル・コミュニケーション』柏書房、2009

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