子供睡眠時間が短縮傾向に!子供の睡眠不足が危険な状況です

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子供 睡眠時間

あなたは「近年、2歳児の35%が22時以降に寝ている!」という事実をご存じだったでしょうか?

 

これは、日本小児保健協会が1980年から10年ごとに実施している、「2010年度幼児健康度調査」によるもので、22時以降に寝始める2歳児は35%という結果でした。

実に2歳児の3人に1人が、習慣的に遅い就寝時間になっています。

 

原因としては、生活習慣の多様化や共働きの親が増えた影響により、子供を寝かし付ける時間が遅くなっているなどの理由が挙げられます。

それに伴って、子供の睡眠不足というのも問題視されています。

 

子供にとって、睡眠というのはとても大切です。

もし、寝る時間も遅くなって、子供の睡眠不足が続いてしまうと、
・脳機能の発育が低下してしまう
・情緒が不安定になって常にイライラしやすくなる

など、子供への悪影響は少なくありません。

 

最近では睡眠不足などによって、不登校やひきこもりになってしまう可能性を高くしてしまうことが、睡眠科学の医師や研究者により提唱されています。
(※熊本大学名誉教授の三池輝久氏の著書「子どもの夜ふかし 脳への脅威」より参照)

 

そういった子供睡眠時間を改善するには、親の協力も必要不可欠になります。

ただ、それはわかっていても生活習慣というのは、なかなかすぐに改善できるものではありませんよね。

子供の時間に合わせてばかりだと、あなたの仕事などに影響が出てくるかもしれません。

 

では、どうやって子供睡眠時間を、改善してあげればいいのでしょうか。

そのためには、まず子供睡眠時間の関わりについて、知ることが重要です。

 

これから改善していくために、子供の理想的な睡眠時間とは何時間を目安に考え、どのように取り組んであげればいいのか。

また、子供の年齢別の睡眠時間やしっかりとした睡眠時間で寝ることによる効果などについて、今からお話していきます。

 

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1.年齢別の子供の理想的な睡眠時間

まずは、子供の理想的な睡眠時間がどれくらいなのかを、知るところから始めていきましょう。

ただし、ひとえに睡眠時間とは言っても子供の年齢別によって、取るべき睡眠時間というのが変わってきます。

それぞれの子供の年齢に合わせた睡眠時間を、これからご紹介していきます。

1-1.「新生児・乳児」の睡眠時間(13時間~17時間)

生まれてからまもない赤ちゃんは、体の中の体内時計がまだまだできてはいないため、昼・夜の時間や場所などに関係なく睡眠をおこないます。

すでに生後3ヶ月経ったころから、少しずつ一日のリズムというものに、体が慣れていく赤ちゃんも中にはいるそうですよ。

 

この時期から赤ちゃんにも、しっかりと朝の光を浴びさせ、一日のリズムを作ってあげることで、正しく体内時計が形成されていきます。

年齢別のグラフ

出典:http://jr-soccer.jp/wordpress/wp-content/uploads/2014/07/af73068878bd181e51781049b1455068.jpg

※最適な睡眠時間には個人差があります

1-2.「1歳~3歳」の睡眠時間(12~14時間)

この年齢の子供は、大人にとっては当り前な「朝起きて夜に眠る」という人の基本的な生活サイクルを、しっかりと形成していく時期です。

この時期の子供は、ある意味寝ることが仕事であるため、たっぷりと睡眠時間を取らせてあげることを心掛けましょう。

 

また、この時期の子供は、睡眠中に大量のメラトニンが分泌されます。

人生の中で、一番活発にメラトニンが分泌される時期になるため、この時期の睡眠はとても重要になってきます。

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1-3.「4~6歳」の睡眠時間(10~13時間)

朝は7時頃に起きて、夜は遅くとも21時ぐらいまでには寝るという睡眠サイクルを、子供が身に付けていく時期になります。

 

ただし、保育園や幼稚園に通い始める時期で、園内では1時間~2時間程度のお昼寝をする場合が多いです。
子供がお昼寝をし過ぎてしまうと、あまり夜に眠れなくなってしまいかねないので、睡眠時間にはご注意ください。

 

また、子供は就寝までの習慣も(お風呂に入る・歯を磨く・トイレに行ってから眠る)この時期に覚えていくため、子供に間違った習慣が身につかないようにしていきましょう。

1-4.「6~12歳」の睡眠時間(9.5~11時間)

この時期の子供は、小学校に入学して本格的な集団生活が始まります。

子供の体が大きく成長する時期になるため、睡眠時間を多く取ることが重要で、目安として10時間程度は睡眠時間を取る必要があります。

 

しかし、現代の子供は夜型になりがちで、10時間程度の睡眠時間をとるのが難しく、睡眠不足の子供が多くなってきています。

特に現代の子供は、塾や習い事などに通う子供も多く、生活習慣が個人個人によって大きく違いが出始める時期でもあります。

 

子供の睡眠不足は、身体の成長の妨げになったり脳機能の発育にも影響を与えたりするため、学習に対する意欲や記憶力などが低下するなど、子供の成長に多大なる影響を及ぼしてしまいます。

 

この時期に十分な量の睡眠時間をとるようにするには、子供自身で生活習慣を正していくのはもちろんですが、ご家族の協力も必要になるため、親子でしっかりと取り組んでいきましょう。

1-5.「13~18歳」の睡眠時間(8~9.5時間)

子供が思春期や成長期の年齢になり、身長が急激に伸びていく時期でもあります。

身長を伸ばすには、成長ホルモンの分泌が重要になってきます。

 

成長ホルモンを分泌させるには、十分な睡眠時間が必要不可欠になるため、身長を伸ばしていくためにもしっかりと睡眠をとるようにしましょう。

 

しかし、生活習慣は小学校の時期よりもさらに多様化していくため、不規則な生活になりがちで、理想的な睡眠時間をとるのは難しくなります。

この年齢のころの子供が不規則な生活を避け、睡眠不足に陥らないようにするには、ご家族の協力以上に、子供自身の意志の強さも兼ね備え、規則正しい生活を送るようにしていきましょう。

 

2.子供を理想的な睡眠時間に導く方法

第1章にて、子供の年齢別の理想的な睡眠時間が、おわかりいただけたと思います。

 

しかし、子供に「じゃあ今からこれだけの時間寝ましょうね!」と言っても、たぶんすんなりとは寝てくれないでしょう。

赤ちゃんの時期なら子供を寝かしつけるのは、ある程度難しくないでしょうが、幼稚園や小学生ぐらいの子供の場合は、親から寝なさいと言われてもぐずって寝ないなんて場面も多いですよね。

 

そんな子供を理想的な睡眠時間に眠らせてあげるには、親や家族などがその睡眠時間に導いてあげるのも重要です。

今からその方法について、ご紹介していきます。

2-1.「早寝・早起き」ではなく「早起き・早寝」

理想的な睡眠と言われて、すぐに思い付くのは「早寝・早起きをする!」ではないでしょうか。

もちろんそれが一番理想的なのですが、そのために寝る時間を早くするというのは意外と難しいですよね。

 

では、少しだけ考え方を変えてみましょう。

そのまま「早寝・早起き」をおこなうのではなく、その逆で「早起き・早寝」から始めてみるという提案です。

 

まずは子供に1週間という期間を決めて、頑張って早起きをさせてみましょう。

そして、しっかりと朝から日光を浴びさせてください。

それから1~2週間ほど続けてみると、子供の体内時計は徐々に朝型へと変化していき、自然と無理なく早起きができるようになるでしょう。

 

早寝に関しても、ちゃんと早起きを続けていれば自然と夜に眠たくなるため、こちらも無理なく早寝ができるようになります。

こうしていけば、子供の理想的な睡眠時間に近づけていけます。

ただし、週末のお休みなどに、油断してお昼近くまで寝過ぎないよう気をつけてくださいね。

せっかく頑張って築き上げた1週間が、たった1日の寝過ぎで台無しになるため、くれぐれもご注意ください。

2-2.就寝時間をきっちり決めておく

あなたは「子供は放っておいても、夜になると勝手に眠くなって寝るものだ!」と、思っていませんか。

それは間違いで、子供たちは自分で就寝時間を決めているわけではありませんし、親が何も言わなければ、大人と同様に自然と眠くなるまではいつまででも起き続けます。

 

そのために、親が子供に対して「20時なら20時!」「21時なら21時!」と、就寝時間を決めてあげるのが重要です。

また、ただ単に時間を決めるだけでは子供も寝ないため、その時間になったら寝るように言い続けて、その後子供が自然と決めた時間に眠れるように促してあげましょう。

2-3.夕食の時間を早めて朝食を食べるようにしよう

あなたの子供は、ちゃんと朝食を食べているでしょうか。

最近では、朝食を食べない子供が増えて学力低下などにつながるなど、深刻な問題の1つになっています。

 

朝食を食べていない理由は、朝早く起きられないなど様々あると思いますが、「朝食をどうするか」というのを考える前に、まずは「夕食の時間を早める!」というところから考えてみませんか。

 

夜型の生活になって夕食の時間が遅くなると、満腹状態で眠りづらくなり、そのまま就寝時間も遅くなります。

また、夕食の時間が遅いと、その時に食べたものが消化しきれておらず、自然と朝から食欲がわきません。

 

そのために夕食の時間を早めるようにすれば、就寝時間も自然と早まります。

そして、寝ている間にしっかりと消化できているため、朝から目覚めた時には、当り前のようにお腹が空いて朝食を食べるようになれるでしょう。

こういった食事のサイクルがきちんとしていれば、自然と子供を理想的な睡眠時間で眠らせてあげられます。

2-4.夕食とお風呂の時間は子供の時間に合わせる

家族で夕食を食べる時間や子供と一緒にお風呂に入る時間を、お父さんが帰ってくる時間によって決めていませんか。

もちろん家族みんなで食べる食事は大切な時間ですし、子供とお風呂に入るのはコミュニケーションも取れて楽しいですよね。

 

しかし、そうしてしまうと、仕事でお父さんが遅くなれば自然と子供の夕食や就寝時間も遅くなってしまいます。

先ほどもお話した通り、子供の就寝時間はしっかりと決めてあげる必要があるため、家族団らんは楽しみたいですが、子供の成長のためにも、時間の主軸をすべて子供中心で考えてあげるようにしましょう。

2-5.就寝前の強い光を発するテレビやスマホは控える

テレビの強い光や最近では使用する子供も多いスマホの光などを、就寝前に浴びてしまうと、睡眠の妨げになってしまいます。

 

では、なぜテレビなどの強い光やスマホの光が、睡眠の妨げになってしまうのでしょうか。

それは、第1章【1-2】のところで自然な眠りを誘ってくれるメラトニンという物質のお話をしましたが、テレビなどの強い光によってこのメラトニンの分泌が抑制されてしまうのです。

 

そのため就寝前にテレビなどを見てしまうと、メラトニンの分泌が抑制され自然な睡眠の妨げになるため、目が冴えてしまいなかなか寝つけなくなってしまいます。

 

子供睡眠時間のためにも、なるべく就寝の1時間ぐらい前には、テレビなどを見せないようにして、その1時間は寝るための準備時間にするようにしましょう。

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光と体への影響については、同サイト関連記事もご参照ください。

すでに体には隠れた影響が!知らなきゃ怖いブルーライトの真実
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2-6.就寝する1時間前には部屋を暗くしておく

先ほど、就寝前にテレビなどの強い光は控えてくださいというお話をしましたが、テレビなどの光だけでなく、お部屋の明かりも暗めにしておく必要があります。

 

明るいお部屋にいると脳が昼間だと錯覚してしまい、テレビなどの強い光ほどではありませんがメラトニンの分泌が抑制されてしまうため、睡眠の妨げになってしまいます。

そのため、夕食などを食べ終わり就寝するまでの間は、お部屋の明かりを豆電球などの小さな光の状態にし、お部屋を薄暗くしておくことをおすすめします。

 

3.子供が理想的な睡眠時間をとることによる効果

ここまでで、子供の年齢別の睡眠時間とそこに導くための方法についてご紹介してきました。

この方法を取り入れてもらえれば、子供を理想的な睡眠時間で寝かせられるでしょう。

 

しかし、子供を理想的な睡眠時間で寝かせてあげるのがなぜいいのでしょうか。

ここからは、実際に子供を理想的な睡眠時間で寝かせてあげると、どういった効果が起きるのかについてご紹介していきます。

3-1.成長ホルモンを活発に分泌してくれる

子供の時期に理想的な睡眠時間をとることによって一番関係してくるのは、
【成長ホルモンを活発に分泌してくれることです!】

 

しっかりと睡眠時間がとれると、成長ホルモンが脳下垂体という場所から分泌され、肝臓に到達するとIGF-1という成分を作り、血液と混ざり合って体内を巡って身体を成長させていきます。

もし睡眠不足が続いてしまうと、成長ホルモンが上手く分泌されずに不足してしまうため、子供の成長に関わるあらゆる面に影響を及ぼしてしまいます。

 

子供にとって成長ホルモンは身体を形成していくための基礎となり、無くてはならないものになるため、十分な睡眠時間を心掛けましょう。

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3-2.身長を伸ばす

先ほどお話した成長ホルモンの効果によって、一番身体に影響してくることは子供の身長を伸ばすことです。

 

同じく先ほど説明したIGF-1の効果により、骨の成長を司ると言われる骨端軟骨の細胞を増やし、骨を強化していくと、身長を伸ばすという部分に影響します。

さらに、身長を伸ばすとともに子供の筋肉を強くしていくなど、体を形成していきます。

 

身長を伸ばす要因は食事や運動など他にも要素はありますが、睡眠による成長ホルモンの分泌というのは最も重要な要素になり、子供の将来のためにも、身長を高くしていくにはしっかりと睡眠時間をとっていきましょう。

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3-3.疲労回復

さらに、睡眠による成長ホルモンの分泌がもたらす要素として、体の疲労を回復させてくれる効果があります。

 

睡眠によって成長ホルモンが分泌されると、細胞分裂が活発になり、体の中で新陳代謝が繰り返されることによって、体の傷付いている箇所を再生させたり疲労の蓄積を回復させたりします。

成長ホルモンは体の疲労回復だけではなく、脳の疲労回復、免疫力の向上など人間の体の「メンテナンス役」を担っています。

 

「成長ホルモンの分泌」、「身長を伸ばして体を形成する」など睡眠による効果は、子供の成長において欠かせないものです。

3-4.脳機能の発育

理想的な睡眠時間で眠ることは、子供の脳機能の発育にも良い効果を与えてくれます。

 

睡眠中の脳内では、日中の起きている時間にしっかりと働いた交感神経(自律神経の一つ)を、休ませてあげています。

その効果により、また次の日もいろんな情報を脳に蓄積させやすくなります。

 

また、その日に勉強などで覚えた内容を睡眠中に脳内で整理し、記憶として脳に定着させてくれるのです。

そのため睡眠不足が続いてしまうと、せっかく勉強などで記憶した内容を脳にしっかりと定着させられないため、子供の学習能力の低下につながってしまいます。

 

さらに、睡眠不足によって、脳機能の一部である海馬の大きさが小さくなるとも言われています。

海馬は脳機能の中でも記憶を司るところになるため、ここが発達していないと子供の将来の学力にも影響してきます。

子供の脳機能のために、小さい内からしっかりと睡眠時間をとっておきましょう。

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3-5.精神の安定

理想的な睡眠時間で寝ることは、子供の精神面の安定にもつながります。

睡眠中に脳の交感神経を休ませてリラックスさせてあげると、精神面の安定へとつながるのです。

 

そのため睡眠不足の状態だと、大人でも頭が冴えない気分になったりなんだかイライラしてしまったりすることがありますよね。

このような状態は小さな子供であっても、睡眠不足が続くと引き起ってしまいます。

 

最近では睡眠不足が原因でイライラしてしまう子供が増え、不登校やひきこもりになるケースも増えてきています。

 

明るく元気な子供に育ってもらうためにも、理想的な睡眠時間を守って、子供を良い眠りにつかせてあげましょう。

 

4.子供の睡眠不足や夜更かしが危ない!

ここまでお話してきまして、あなたも子供を理想的な睡眠時間で眠らせてあげるのがどれだけ大切なのか、おわかりいただけたと思います。

 

では、なぜ子供にしっかりと睡眠時間をとらせてあげる必要があるのでしょうか。

第3章の効果のところでお話した通り、子供にとって睡眠は成長していくために最も重要な要素と言っても過言ではありません。

 

しかし、そんな子供の睡眠が現代の多様化した生活スタイルによって、睡眠不足などを引き起こし、子供の成長が危険な状態となっています。

子供の成長にとって、睡眠不足などがどれだけ悪影響で危険なことなのかを、これからご紹介していきます。

4-1.日本は「赤ちゃんの短眠大国」

現代の日本は世界的に見ても、有数の短眠大国です。

 

日本人の睡眠時間は、1年ごとに約1分ずつ短縮していると言われています。

この結果は日本人の大人だけではなく、赤ちゃんや子供たちにも影響が及ぼされています。

 

下の図は、2010年に子供の睡眠研究者であるイスラエル人のアビ・サデー氏らが調査したもので、赤ちゃん(3歳以下)の1日の睡眠時間を、世界の国・地域別に分けてグラフ化をしたものです。

下の図の結果を踏まえて、日本人の赤ちゃんの総睡眠時間は、1日あたり11時間17分となり、17ヵ国の地域中最も短いという結果で、最長であるニュージーランドとの差は約1時間40分も少ないという結果になりました。

 

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出典:http://www.toikomama.biz/wp-content/uploads/2014/12/suimin.jpg

 

結果を見てもわかる通り、現代の日本人は赤ちゃんの時期でも、短眠で睡眠不足が深刻な問題となっています。

もちろん他の諸外国に比べて遺伝子的な問題もありますが、日本人に比べて外国の人は身長や体が大きいですよね。

 

ここから考えても、短眠や睡眠不足によって身長などの体の成長に影響するというのが、一目見ておわかりいただけると思います。

さらに、脳機能の発達に影響してくるのも例外ではありません。

4-2.短眠になる原因は夜更かしにある!

先ほどのお話で、日本人の子供が世界第1位の短眠であるという結果になり、その原因として一番に挙げられるのが「夜更かし・遅寝の生活習慣」になります。

 

下の図は、パンパース赤ちゃん研究所が、2004年12月に発表したもので、0~4歳児の睡眠に関する調査結果になります。

それによると、日本人の子供は22時以降に寝ている割合が50%近くという結果で、他のヨーロッパ諸国と比較しても突出して高い結果になっています。

 

これは世界的に見ても日本人は両親が共働きの家庭が多く、夕食や就寝時間が遅くなってしまうため、自然と子供も夜型の生活習慣になってしまいます。

 

この夜型の生活習慣というのが原因で、子供の短眠につながってしまうのです。

世界と比較して、日本人の子供だけが短眠に耐えられる脳や体なわけではなく、すべての人種が同じです。

もし、今後もこの状況続くようであれば、子供たちの健康や発達に一体どれだけの影響を及ぼすのか心配になりますし、睡眠に問題を抱える子供がさらに増加していくと予想されています。

 

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出典:http://matome.naver.jp/odai/2138530279078481301

4-3.約7割の高校生が深夜0時以降に就寝している

ここまでは、小さい子供たちの夜更かしについてでしたが、夜更かし・遅寝の生活習慣は、小学生・中学生・高校生の子供でももちろん問題視されています。

 

2010年にベネッセ教育総合研究所が発表しました「第2回子ども生活実態基本調査報告書」の結果によると、午後10時半以降に就寝する小学生が41.6%、深夜0時以降に就寝する中学生が36.1%、同じく深夜0時以降に就寝する高校生が70.2%になったそうです。

さらに、深夜1時以降に就寝する高校生も27.4%という結果も出ています。

 

学生の平均就寝時間

出典:http://www.garbagenews.net/archives/805438.html

これは、夜遅くまでテレビやスマホを利用したり勉強などで夜更かしになってしまったりという要因があげられます。

 

また現代の子供は、学校のクラブ活動や塾・習い事など、学校が終わってからもやることがたくさんで、自然と就寝時間は遅くなり、睡眠時間も短くなります。

ある意味現代の子供は、大人よりも忙しいのです。

 

このような状態が慢性化してしまうと、健康被害など子供への影響はどれだけのものになるか計り知れません。

4-4.やっぱり身長への影響は多大である

先ほど【4-1】や【4-2】で見ていただいた「世界との睡眠に関する違いのグラフ」を基に考えてみましょう。

諸外国の人と日本人を比較した時に、一番わかりやすい違いは身長や体格の差になりますよね。

 

もちろん元々の遺伝子的な問題もありますが、日本人に比べて外国の人たちはしっかりと睡眠時間がとれているため、身長などの体の成長に大きな影響を与えています。

 

なぜ身長などを伸ばすために睡眠をとるのが必要なのかについては、第3章のところでご紹介していますのでそちらをご参照ください。

4-5.睡眠不足が学力低下を招く

睡眠不足は、子供の学力低下や学習意欲にも影響してきます。

 

2012年に文部科学省がおこなった「全国学力・学習状況調査」によると、全国の小・中学生を対象に「毎日同じ時間に就寝できていますか?」と質問したところ「就寝できている」と答えた子供は「就寝できていない」と答えた子供よりも、明らかに学力が高い傾向にあることがわかりました。

 

なぜ、そんな差が生まれてしまったのでしょうか。

それは夜更かしや遅寝をすることで睡眠不足になり、自律神経機能と脳機能が低下してしまうことに原因があります。

 

低下してしまう原因は、睡眠不足になると、正常に睡眠をしていた場合に保たれるはずの脳のシナプスや神経細胞の働き(情報処理能力)が低下してしまいます。

 

情報処理能力の低下は、自律神経機能のでもある脳の視床周辺でも起こるため、日中も眠気が残ったり常にイライラしてしまったりなど、子供の学習への意欲が損なわれ、学力の低下にもつながってしまうのです。

 

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4-6.寝ない子供は海馬が小さい

第3章【3-4】でもお話しましたが、海馬は記憶を司る器官のため、記憶力や学習能力に大きく影響する箇所です。

 

東北メディカル・メガバンク機構の瀧靖之教授らの研究によると、5歳~18歳までの290名の健康な子供を対象に、脳と平日の睡眠時間の関係を特殊な機械を使って計測したところ、睡眠時間が短い子供は長い子供よりも、脳の海馬が小さいという結果が出たそうです。

 

その原因としては、睡眠時間が減少することによって、海馬の神経細胞の新生や分化が抑制されてしまうからだと言われています。

 

先ほどもお話した通り、海馬は学習能力などに影響するとても重要な器官です。

海馬は脳の中でも、唯一成人後も細胞分裂を繰り返す器官で、勉強などの新しいことを記憶する器官のため、子供の将来を考えても、海馬が小さくなるというのはとても深刻な問題なのです。

4-7.両親の生活習慣が子供の睡眠不足に最も影響してしまう

下記のグラフは、主な諸外国の平均睡眠時間になります。

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出典:http://mainichi.jp/articles/20150313/org/00m/100/006000c

ご覧の通り日本は世界的に見て、睡眠時間が足りていないというのがわかります。

 

このグラフの上位に入っている国は、【4-1】や【4-2】でご紹介した子供睡眠時間に関するグラフでも上位に入っている国ばかりです。

これを基にして考えると、親(大人)の睡眠時間などの生活習慣が、間違いなく子供に影響していると言えます。

4-7-1.両親が共働きである、または片親である

こういった状況になってしまう一番の原因は、両親が共働きであるというところでしょう。

両親が共働きになってしまうと、子供もその生活習慣に合わせざるおえなくなるため、自然と子供が睡眠不足や夜更かしの状態に陥ってしまいます。

 

また、今はいろいろな事情により、片親の家庭も増えてきているため、子供が家庭の手伝いをすることもあるでしょうし、共働きの家庭以上に睡眠不足となり、子供睡眠時間が短くなる可能性が高くなるでしょう。

4-7-2.核家族化

もし両親が共働きであっても、おじいちゃんやおばちゃんなどに子供を見てもらえれば問題ないのですが、核家族化が多い現状ではそれもなかなか難しいでしょう。

核家族というのは、簡単に言うと1つの居住地にお父さん・お母さんとその子供たちしか住んでいない状態のことです。

 

昔はその家族構成に、おじいちゃんやおばあちゃん・親戚なども含めた拡大家族で住むというのが一般的でしたが、生活スタイルの多様化により、おじいちゃんやおばあちゃんとも離れて暮らす核家族の世帯がほとんどになってきています。

 

共働きである上に、子育ても自分たちだけで担っている状況では、子供を理想的な睡眠時間で寝かせるのが難しいのも仕方ないのかもしれません。

 

まとめ

ここまでお話させていただいて、子供にとって理想的な睡眠時間で眠らせてあげるのがどれだけ大切なのか、子供の睡眠不足がどれだけ深刻な問題なのか、少しはおわかりいただけましたか?

 

子供の時期の成長に影響するのはもちろんのこと、将来の部分にまで影響してしまうほど、子供の時期の睡眠時間はとても大切なのです。

 

本文を読んでいただいてわかったと思いますが、子供の理想的な睡眠時間のためには、ご両親と子供が一緒になって、ご家族全員で協力し合うのがとても重要になってきます。

 

いかにご両親が、子供を理想的な睡眠時間に導いていけるかが、今後の子供の人生を左右してしまうと言っても過言ではありません。

 

子供の将来のためにも、まずはあなたの子供を変える前に、ご両親自身の睡眠時間や生活習慣を変えてみる必要があるかもしれませんね。

 

【関連記事】

 


【参考書籍】

・三池輝久『子どもの夜ふかし 脳への脅威』集英社、2014

・神山潤(睡眠文化研究所)『子どもを伸ばす眠りの力』WAVE出版、2005

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